“ながーーく”なって“ドア2枚”増やしたスズキ「ジムニー“ノマド”」オフロードでの実力は? オンロードでは「ファミリーカー」たり得るのか
最初は計画になかった5ドアモデル
2018年に登場した4代目となる現行型「ジムニー」。当初は5ドアを展開する予定はありませんでしたが、グローバルで好評なデザインと歴代モデル随一へと高まったコンフォート性能も相まって「リアシートへのアクセスが容易な5ドアも追加してほしい」という声が多くあがりました。
【画像】超カッコいい! これがスズキ「ジムニー“ノマド”」です! 画像で見る!(90枚)(30枚以上)
そんな声を受けて、スズキは当初予定していなかった5ドアのジムニーを開発し、2023年から各市場へと投入。2025年に日本へも投入されることになったのです。
ベースとも言える「ジムニーシエラ」との違いは5ドアになった以外にもいくつかあります。
まず、ホイールベースが延長されているのが大きな変更点です。340mm延長され、ホイールベースの延長分がそのまま全長に反映されています。

また、これに合わせてラダーフレームはセンタークロスメンバーを追加、より強化したATやフロントブレーキ、フロントサスペンションのセッティング変更など、長く、重くなったことに対する対策が施されています。
今回試乗したのは改良を受けた後の2型と呼ばれるモデル。運転支援システムがより充実したほか、マルチインフォメーションディスプレイがカラー化され、近代化が図られました。
オンロード性能はどうか
一般的なオンロードで試乗してみると「あれ?ジムニーってこんなに普通に快適なクルマだった?」と思わせてくれて、良い意味で予想が裏切られました。
ジムニーというクルマに対して「ラダーフレームの本格クロカンモデル」という先入観があったからこそなのですが、乗り心地も静粛性も日常域で使うならば多くの人は及第点、いや人によっては全然OKというレベルに達しています。
特にこのノマドは乗り心地を始め、普段乗りでのコンフォート性能は高まっています。長くなったホイールベースは、シエラに比べてマイルドな乗り心地を思わせてくれます。また、リアシートにも座ってみましたが、想像していたより広くて静粛性も高いです。

もちろん、もっと後部座席のリクライニングが欲しいとか、座面の奥行きが欲しいなどの「もう少し…」な欲は出てきます。
しかし、前席と後席の会話もしやすく、リアシートでの乗り心地もラダーフレーム特有のユサユサ感はありますが、角が取れている印象で、これならば人によってはファミリーカーとしても使えると思わせてくれました。
オフロードはどうか
厳密なオフロード性能はベースとなったシエラの方が優れていますが、「ジムニー」とモデル名に付けるだけあって、ジムニーノマドも優れたオフロード性能を備えていることは、登場当初からしっかりとアピールされていたポイントです。
そのアピールポイントを確かめるべく今回はオフロード試乗の機会も用意されていました。今回オフロードコースでの試乗で用意されたのはAT仕様でしたが、ここでの印象を短く表すと「オフロード走行を想像以上にイージーにしてくれる1台」です。
ATでもしっかりとトランスファーが用意され、欲しいホイールトルクをスグに伝達してくれますし、下り坂で低速をキープしてくれるヒルディセントコントロールや、4輪が接地できない路面で空転した車輪にブレーキをかけて脱出力を高めるブレーキLSDなど、悪路で手助けしてくれるメカニズムも備わっています。
筆者(西川 昇吾)は、オフロード走行の経験が豊富なわけではありませんが、このジムニーノマドならば構えていた以上にオフロード走行が楽に感じられました。

角ばった車体はオフロードでも車両感覚が掴みやすく、あらゆる場所へ気軽に行きたくなるような、相棒感の強い一台だとオフロード走行を通じて感じました。
オフロード走行で感じた不満点はただ1つ、最小回転半径が大きいこと。シエラが4.9mなのに対して、ノマドは5.7mとなっています。
ホイールベースが伸びていることが影響した結果ですが、この点は本格的にオフロード走行をする人は要チェックすべきポイントです。
なお、ここまで最小回転半径が大きくなってしまったのは、現行ジムニー開発当初はロングホイールベースで5ドアとなったノマドの存在を想定していなかったためこれ以上工夫のしようがない状態であるためとのことです。
オンロードでの快適性が向上し、ATならばよりオフロード走行がイージーだと思うほど高い悪路走破性を有するジムニーノマド。そのパッケージはもちろんですが日常からオフロードまで、あらゆるシーンでジムニーユーザーの間口を広げてくれる乗り味に仕上がっていると確信した試乗となりました。

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