道路上でおなじみの「交通道路標識」。知っていますか?国内には、ざっと数えて200種類もの道路標識が存在します!
今回は、滅多(めった)に目にすることのないめずらしい道路標識と、普段よく見かけるけれど実は勘違いされがちな道路標識、自転車の道路標識について、ピックアップして紹介します。
1.めずらしい道路標識
規制標識「警笛鳴らせ」
警笛(けいてき)とは車のクラクションのこと。おもに山間部のカーブが多い所、曲がり角、上り坂の頂上付近など、「見通しが利かない場所」に設置されています。市街地ではむやみにクラクションを鳴らすことは禁じられていますが、警笛鳴らせの規制標識が掲示される場所では、車両は見通しの悪い場所を通るたびに、危険を回避するため、クラクションを鳴らして自車の存在を周囲に知らせなくてはなりません。
指示標識「軌道敷内通行可」
軌道(きどう)とは電車の走る線路の意味。軌道敷(きどうしき)とは、路面電車のために設けられた線路およびその範囲のことです。おもに敷石(しきいし)や線によってゾーンが示されています。軌道敷内に車で侵入して路面電車の通行を妨害すると「軌道敷内違反」となりますが、「軌道敷内通行可」の標識がある先は、「自動車に限り」通行が許されます。通行を可とする補助標識がある場合を除き、原動機付自転車は通行できません。ともあれレールの上は滑りやすいので要注意。路面電車が後方から近づいてきた際は、すみやかにエリア外に出るなどして、路面電車を優先させます。
指示標識「安全地帯」
路面電車のそばには、利用客が乗降するための「安全地帯」が設けられていることがあります。気をつけることは、車両は安全地帯に進入しない、安全地帯のそばを通るときは徐行する、安全地帯の左側とその前後10メートル以内は「駐停車禁止」です。
国内では次の各都市に路面電車が走っています。
北海道 | 札幌 函館 |
---|---|
関東 | 東京都区 |
東海 | 豊橋 |
北陸 | 富山 高岡・射水(いみず) 福井・越前・鯖江 |
関西 | 大津・京都 京都嵐山 大阪・堺 |
中国 | 岡山 広島 |
四国 | 高知・南国・吾川郡(あがわぐん) 松山 |
九州 | 長崎 熊本 鹿児島 |
2.間違えやすい道路標識
普段よく見る道路標識でも、似ているために咄嗟(とっさ)の判断に迷ったり、意味を誤解して覚えがちな標識があるかもしれません。
規制標識「追越のための右側部分はみ出し通行禁止」vs「追い越し禁止」
この標識より先、車両が、前方の進行中車両を追い越す際に「対向車線にはみ出す」ことを禁止するものです。中央線を越えて対向車線にはみ出さない追い越しは可能です。片側一車線の道路に設置されていることが多いです。
一方、「追越し禁止」の補助標識が付いている場合は、追い越し自体が禁止されます。おもに道幅の狭い道路や峠(とうげ)などにあります。
規制標識「駐車禁止」vs「駐停車禁止」
「停車」は、駐車に当たらない短時間の車の停止のことです。駐車と停車の違いを具体例で比較してみましょう。
継続的な停車(荷待ち・客待ち・故障等) | 駐車 |
ドライバーが車両を離れる停車 | 駐車 |
5分を超える停車(荷物の積卸し) | 駐車 |
人が乗降するための停車 | 停車 |
信号待ちの停車 | 停車 |
上記標識(左側)は、朝8時から夜20時までは「駐車禁止」を示しています。
右側の標識は、朝8時から夜20時まで「駐停車禁止」を示しています。駐車に加えて、路肩に寄せて停車した場合も違反になります。ここに駐車すると、駐車禁止の場所に駐車したときに比べて罰則が厳しくなります。
※注意:駐車禁止や駐停車禁止の場所であっても標識が立てられていないケースがあります。
3.自転車も守る必要がある標識
自動車の話題から離れますが、自転車で走行する際に、普段、道路標識を意識していますか?歩道を走行することが多い自転車ですが、自転車は「軽量車」という「車両」の一つに分類されます。次に紹介する道路標識の一例は、自動車だけでなく自転車にも適用されるものです。
規制標識「車両通行止め」
この標識が掲げられている道路は、歩行者以外の「すべての車両(自動車・原動機付自転車・軽車両)」は通ることができません。この標識の手前で自転車を降りて手で押せば通行可能です。理由は、自転車を降りると歩行者扱いになるからです。
規制標識「車両進入禁止」
その場所から「車両」が一定の方向に進入することを禁止する標識です。逆方向から来る車との鉢合わせを防ぐための案内で、一方通行の道路の出口に設置されている場合が多くあります。先ほどの「車両通行止め」同様、「自転車を降りて」ならそのまま進入してもよいことになります。
標識の下に「自転車を除く」という補助標識があれば、自転車に乗ったまま進入可能です。
指示標識「歩行者専用道路」
この標識が掲げられている道路は、通行許可を得ている場合を除き、「歩行者しか」通ることができません。自転車で通りがかったときはやはり、「自転車を降りて」押して歩きましょう。
以上見てきたように、道路交通法上、自転車は車両扱いになります。
自転車に乗る方は「自転車が描かれている標識」にだけ気をつけていればよいというわけではないのですね。自転車を降りれば歩行者扱いになることも意外でした。標識を見て判断に迷ったときは、自転車を押して歩きましょう。その際は周りを見て、安全を確認してから降りましょう。
道路標識は住宅街にも設置されています。あらためてあちこちの標識に目を向けてみると、その場所がどのような区域で、どの方向から車がやって来るかがわかり、歩行の際にも役に立ちそうですね。
また、車を運転する方も、バイクや自転車・歩行者の方も、公共の道路上では広い視野と広い気持ちを保って、安全な走行・通行をしていきたいものですね。
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