発売から3年半… トヨタ「bZ4X」なぜ販売好調? 「EVならではの不安」払拭か トヨタ“電動戦略”の現状とは
なぜイマトヨタ「bZ4X」の販売が好調なのか
トヨタのBEV「bZ4X」が2025年10月の改良以降、好調な販売を記録しています。
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10月から12月の国内BEV販売台数で首位を獲得。なぜ今、bZ4Xが多くのユーザーに選ばれているのでしょうか。

これまでの日本の新車市場において、電気自動車(BEV)の普及は「まだこれから」という見方が一般的でした。
しかし、近年徐々にBEVが浸透しつつあります。
日本では日産「初代リーフ」や三菱「i-MiEV」などが登場してから四半世紀、現在は海外モデルも多く展開されています。
そうしたなかで、トヨタはbZ4Xを2022年5月発売。その後、2025年10月に大幅改良を行っています。
トヨタによると、bZ4Xは2025年10月から12月の3ヶ月連続で、好調な販売を記録しています。
その伸び率は、10月が前年比1300%(1106台)、11月は同3000%(1580台)、そして12月には同4233%(762台)を記録。10月から12月の累計販売台数は3448台となりました。
また受注状況も好調で、月販基準台数が1700台であるのに対し、12月末時点での受注台数は約1万1000台に達しているといいます。
bZ4X、何が変わった?
今回の販売増の最大の要因は、カタログスペック上の数値だけでなく、実用面での「使いやすさ」が劇的に向上した点にあります。
注目すべきは航続距離です。バッテリーのセル数を従来の96個から104個(74.7kWh仕様)へと増強し、総電力量をアップ。
さらに、駆動システムである「eAxle(イーアクスル)」のエネルギーロスを約40%削減することで、電費性能そのものを改善しています。
これにより、一充電走行距離(WLTCモード)は、Zグレード(FWD)で最大746kmへと大幅に延長。これは従来モデル比で約3割の向上となり、東京から青森(約700km)まで到達できる計算です。
また、BEVユーザーの懸念点である「充電時間」や「冬場の性能」にもメスが入りました。
急速充電時にあらかじめ電池温度を温める「バッテリープレコンディショニング」機能を搭載。
これにより、外気温マイナス10度という過酷な環境下でも、急速充電時間が改善され、150kW充電器を使用した場合、約28分で充電(10%〜80%)が可能になりました。

「BEVならではの楽しさ」を追求した走行性能の向上も見逃せません。
4WD車ではフロント側のモーター出力を従来型の約2倍に高め、システム最大出力を160kWから252kWへと大幅に引き上げました。
また「価格戦略」において、トヨタは「BEVをマルチパスウェイの一つの選択肢にしたい」という想いから、補助金を反映した後の実質価格を、同等車格のハイブリッド車(ハリアーやRAV4など)と同程度になるよう設定しました。
例えば、Zグレード(FWD)の価格は550万円ですが、CEV補助金などを活用することで、実質的な負担額は大きく下がります。
性能が上がりながらも、内燃機関車と比較検討できる価格帯に落とし込んだことが、多くのユーザーの背中を押した要因と言えそうです。
◆クルマだけじゃない!? インフラ面も強化
さらに車両の進化に加え、インフラ面でのサポートも強化されています。
トヨタは新たな充電サービス「TEEMO(ティーモ)」を開始。これは月額基本料金0円で、使った分だけ支払うシンプルな仕組みです。
なお150kW級の高出力の充電器が利用可能な他、トヨタ・レクサスだけでなく、あらゆるメーカーのクルマも利用可能となっています。

その他、販売店でもBEVを普及させるための取り組みが加速しつつあります。
まず、各店舗に専属の「マルチパスウェイスペシャリスト」を配置。これは充電や補助金、税金に精通したスタッフが、ユーザーの疑問にきめ細かく答えてくれるというもの。
また、展示車や試乗車を拡充し、実際にステアリングを握って魅力を体感できる機会を増やしているようです。
さらにインフラ面では、店舗への急速充電器設置を推進しており、2025年度には全国のトヨタ・レクサス店で約500基への拡大を予定しています。
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今回のbZ4Xが好調な理由には「航続距離の不安」「充電の煩わしさ」「価格の高さ」といったBEV特有のネガティブ要素を払拭したことや、ハイブリッド車を選ぶのと同じ感覚で検討できる土俵に乗せたことなどがあげられそうです。

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