「暴走族」の活動が“拡大傾向”に? 参加人数激増 「レディース」が過去5年間で最高に! 外国人暴走族も増加? 取り締まりの現状を警察に聞いた
グループ数減、小規模化するも暴走行為は活発化!
暴走族はピーク時に比べ、グループ数が減少し暴走行為の規模も小さくなっています。
【画像】「えっ…!」 これが大迷惑な「暴走族・旧車會」の集団です! 画像で見る
しかし警察庁の最新データによると、近年活動が活発化している実態が見えてきました。
一体どのような変化があり、警察ではどのように対処しているのでしょうか。

暴走族の活動ピークは1980年代~2000年代初頭で、多いときには全国に4万人以上の暴走族構成員が存在し、ほぼ全員がグループに属していました。
グループ同士の集団抗争も激しく、一般人を巻き込む凶悪な事件も多発し暴力団とのかかわりも多数ありました。
暴走族が減った背景には、暴力団の衰退も大きくかかわっているとみられます。
昭和時代の暴走族はその後、暴力団の構成員に流れていくケースが多々あったからです。
活動がピークだった時代に比べると現在はグループ数も10分の1以下にまで激減し、グループ抗争も少なくなりました。グループに属さない者は近年は8割前後にまで増加。
グループ自体もかつて存在した50~100人規模で上下関係や規律の厳しい大所帯グループではなく、気の合う仲間とSNSで連絡を取り合い、3~5台程度の小規模でゲリラ的に暴走行為を行う活動が主流になっています。
しかし、警察庁の最新データ(令和7年版警察白書)では、近年暴走族の活動が活発化している実態が見えてきます。
【共同危険型】(旧車會を含むいわゆる伝統的な暴走族)
グループ数(令和2年:113→令和6年:116)や総人員(同4505人→同4483人)は大した変化はありませんが、総人員のうち女性(レディース)の数が197人→271人に増えています。
これもツーリング主体の「旧車會」(改造した旧型のバイク等を運転する者のグループで、騒音を立てながら大規模な集団走行を行う/出典:茨城県)増大の影響かもしれません。
グループ未加入者数の変化にも注目です。令和2年は81.2%だったのが令和6年には72.7%と10%近く減少。
昭和~平成のピーク時に比べるとグループ加入は大幅に減少していますが、直近5年間ではとくに、旧車會の拡大がグループ加入増に大きく関係していると考えられます。
そして、い集・走行回数は1769回→2528回に激増し、参加人数が1万4888人→1万9972人とこちらも5000人以上の増加。旧車會の活動が拡大していることがわかります。
【違法競走型】(ドリフト族、ルーレット族など「走り」を主体とした暴走族)
違法競走型にはドリフトや首都高ルーレット族、大阪環状族などが含まれておりこちらも警察的には「暴走族」のくくりに入っています。
こちらも活動は活発で総人員は1209人(令和2年)→1397人(令和6々)に増加し、い集・走行回数は261回→323回に増加しました。
そして、参加車両台数は2218台→3948台と2倍近い数字になっています。
この急激な増え方には外国人暴走族が加わっている可能性も捨てきれません。
実際2025年は中国のSNSに時速265kmで暴走する動画をはじめ、外国人ドライバーが首都高で暴走する動画が複数投稿され大きな話題となりました。
このような状況から暴走行為に対する110番通報や苦情は相変わらず多いのが実情です。とくに多い4つの県の最新状況を紹介します。
●神奈川県
神奈川県警の取り締まりはかなり厳しく、暴走族の検挙数としては全国トップクラス。
工業地帯や幹線道路が多く、集団走行しやすい環境で構成員が多いと分析されます。
箱根や大黒ふ頭近辺でのドリフト走行への取り締まりも厳しく行われています。
2024〜2025年の報道でも暴走族イメージが強く、少年層が増加傾向にあります。
●福岡県
全国でとくに半グレ→暴力団とつながるケースが多いのが福岡県です。
旧車會というよりは昔ながらの暴走族の存在が強い地域でもあり、福岡県警は取り締まりを強化しています。
●茨城県
従来の暴走族グループは減少(2014年の18団体→最近3団体)していますが、SNSで集まる爆音バイクの通報が急増(2023年で1412件超)しています。
とくに水戸・大洗・土浦周辺での通報が目立っています。
●愛知県
愛知県は自動車盗難が全国トップで自動車に関わる犯罪が多い地域としても知られています。
近年も集団暴走が頻繁に行われており、2024年で228回、2410台が参加。
暴走族に関する110番通報も2250件に達しており、全国トップクラスの数字となっています。
ほかには、大阪府や千葉県で旧車會を含む暴走族に関する苦情が増えています。
2025年6月に取り締まり強化宣言をした茨城県警 半年経った今の状況は?
茨城県警は2025年6月2日に公式SNSにて「不正改造社車排除強化」を宣言しました。
6月は「不正改造車排除強化月間」だったこともあり、街頭検査を実施して暴走族撲滅への動きが強化されました。
あれから半年経過した今。暴走族の活動や取り締まりの状況はどのようになっているのでしょうか。
現状について、茨城県警交通指導課に話を聞きました。
―― 今年6月に取り締まり強化宣言を行いましたが、この半年間、どのような取り締まりが行われましたか?
茨城県警では国土交通省茨城運輸支局や関係機関団体と協力し、県内主要路線や高速道路で 街頭検査を実施し、整備不良など違反車両に対して整備命令を発令しました。
2025年9月20日~21日にかけては、筑波山を走行するドリフト族の取り締まりを県警つくば、石岡、土浦の3署と県警交通指導課、交通機動隊、国土交通省関東運輸局茨城運輸支局などで実施しました。
同県つくば市臼井の筑波山と周辺でドリフト走行を繰り返す「ドリフト族」に対して5件の摘発と8件の整備命令を出しました。

―― 少年暴走族も話題になりましたね。
暴走行為は6月22日午前1時ごろ、龍ケ崎市久保台1丁目の県道交差点内で行われたもので、15~18歳の中高生を含む少年たち7人はオートバイ3台と原付バイク3台に分乗し、空吹かしや周回走行を繰り返して通行車両の進行を妨害するなど周囲に多大な迷惑をかけていました。
110番通報を受けて竜ケ崎署員が現場に急行しましたが全員が追跡から逃走したので、県警はドライブレコーダー映像を解析して7人を特定。11月19日までに道交法違反(共同危険行為)の疑いで逮捕しています。
この暴走族のグループ名は「惡愚(あぐ)」と名乗っており、龍ケ崎市を中心に活動していた暴走族でした。
―― 近年の暴走族は昔と比べて何が変わりましたか?
いわゆる昔の暴走族とされるものは、本当に少なくなりました。
特攻服を着てバイクにまたがって暴走するようなこともほぼありません。
総長と呼ばれる暴走族のトップも存在しませんし、役職の設定もないでしょう。
上下関係もゆるく、友達同士でツーリングという雰囲気です。
ですから警察に遭遇したらひたすら逃げます。昔のように警察に対して攻撃するなど、凶暴なことはほぼやりませんね。
―― 茨城県内の暴走族の活動で特徴的なことはありますか?
茨城県内の暴走族だけで集まるというより、SNSで連絡を取り合って隣接する千葉や埼玉など広範囲から集まり、比較的大きなグループになって大洗海岸やつくば山などを目指すケースが目立ちます。
土日の昼間に動くことが多く、朝出発して観光と昼食が終わったら午後早めに解散…というパターンも多いと思います。
また、ハロウィンや花火大会などイベント時を狙って駅周辺で渦巻走行を繰り返すこともあります。
人が多い時を狙って目立つことをして注目を集めたいのでしょう。
※ ※ ※
茨城県警交通指導課では「暴走族の問題行動を見かけたら少人数であってもすぐに通報してほしい」と話していました。
茨城県警に限らず、警視庁や神奈川県警、大阪府警、千葉県警などでも積極的に、暴走行為に関する通報を募集しています。
周囲から監視されていることに気づかせることも暴走族撲滅につながる大きな一手となりそうです。

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