ホンダ「新型コンパクト“5ドアスポーツカー”」登場へ! 名車「シティターボ復活!?」なワイドボディ×超パワフル“ブーストモード”搭載! 来年発売の「スーパーワン」に期待
往年の「シティターボ」再来な「スーパーワン」
ホンダが2025年10月30日に開幕した「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」で、サプライズとしてお披露目した小型EV「Super-ONE Prototype(スーパーワンプロトタイプ、以下スーパーワン)」は、そのデザインがクルマ好きの間で大きな話題となりました。
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プロトタイプと謡っていることもあり、なんと2026年内の日本発売が予告されています。身近な軽EVでは堅実なモデル展開を行ってきたホンダですが、なぜスーパーワンは誕生したのか、開発者に直撃しました。

日本最大の自動車ショーであるJMS2025に現れた新提案のスポーツモデル スーパーワンに目を奪われたクルマ好きは少なくなかったはず。
今時珍しいブリスターフェンダーを備えたカクカクしたボディスタイルは、ホンダが1983年に発売した初代「シティ」のホットハッチモデル「シティターボII」を彷彿させるものだったからです。
当時、個性的なトールスタイルの3ドアハッチバックボディのトレッドを拡大させるために設けられたブリスターフェンダーと、エンジンとの干渉を避けるパワーバルジ付きのボンネットのワイルドなスタイルから、「ブルドッグ」の愛称で親しまれました。
2025年9月に発売されたばかりの新型軽乗用EV「N-ONE e:」をベースに生まれたスーパーワンは車軸幅を広げ、ワイドタイヤを装着するために、シティターボII同様にフェンダーを大型化。さらにエアロパーツで武装しています。
そのスタイルの特徴を受け継いでおり、まさに「令和のブルドッグ」というべき仕上げになっています。
しかし、なぜスーパーワンは誕生することになったのでしょうか。
開発者によれば、ホンダのEVを拡販していくためには、どのようなモデルが必要か検討した結果、ホンダ軽EVの開発段階では、法人から軽商用車のEVを求める声があったため、軽バンEVに「N-VAN e:」からスタート。
もちろん乗用EVも必要なので、それに次ぐモデルを検討していたところ、「N-WGN」や「N-BOX」などのワゴンタイプからという意見もあったそうですが、検討の結果、スタンダードなモデルとして、ホンダが乗用車に参入した際の「N360」をモチーフとした「N-ONE」をベースにすることを決定。それが新型N-ONE e:となったことは皆さんもご存じの通りです。
その開発過程で、開発者から「やはり、ホンダらしい走りの楽しめるモデルも欲しい」という意見が出たことが、スーパーワン開発の原点となりました。
その頃にホンダの実験車で、エンジン車のN-ONEをベースにトレッドを拡大したものがあり、ハンドリングなどの走行性能で良い結果が得られたため、ホンダ軽プラットフォームをベースに、電動ユニットを組み合わせることで、ホンダで最も軽量で面白いスポーツカーが作れるとプロジェクトが動き出したそうです。
いっそ「シティターボ風にしちゃえ」 軽枠超えで「最高出力」も開放
デザインは、トールスタイルのハッチバックであるN-ONEをベースにワイドトレッド化を図るデザインを施すと、なんとなく往年のシティターボIIに雰囲気が似てきたそう。
ならば、いっそシティターボII風にしてしまえと盛り上がり、ブルドッグのモチーフを取り入れ、外装でN-ONEシリーズと同じのはドアだけに。フロントフェンダーは専用品で、リアフェンダーには、オーバーフェンダーを取り付けることで対応。

「ガンダム」風のエアロやクラシックスタイルのアルミホイール、そして、シンプルなN-ONE e:のコクピットデザインを活かし、レトロデザインのセミバケットシートなどを与えることで、80年代風コクピットデザインを実現しています。
タイヤサイズを大きくするだけでなく、タイヤ自体も外側に装着されているため、スーパーワンは軽自動車ではなく、「フィット」などと同じく登録車扱いになります。
そのため、維持費は軽EVよりも高くなる部分もありますが、その恩恵として、軽自動車の最高出力自主規制枠である47kW(64ps)の上限にも縛られなくて良くなりました。
実際、スーパーワンでは、通常は最高出力を47kWとしていますが、パワーアップとなる「ブーストモード」を起動すると、それ以上の性能を発揮するように作られています。
走りの要となるサスペンションは専用品を採用。ボディのポテンシャルが高いため、補強も少し加えた程度に留まるとのことでした。
また、走りのリズムを掴みやすくするために、仮想エンジンサウンドと仮想有段ギア変速を備えており、エンジン車のような運転感覚も味わえるようです。その技術には、プレリュードで話題の「S+シフト」の技術が応用されているそう。
気になる走りですが、タイヤの路面接地性を高めており、田舎道のようなワインディングも安心して走れるセッティングとのこと。スポーツカーを目指していますが「タイプR」のような方向ではなく、毎日乗って走りを楽しめることを大切にしたそうです。
開発者は、「BEVはクルマが重くなりがちですが、軽いスポーツカーを作ってみると、良いところもたくさん見えてくる。そんなクルマにしたかった。N-ONE e:では、女性でも扱いやすい運転し易さを目指しましたが、こちらはクルマ好きの男性をメインターゲットにしました」と話します。
さらにブルドッグをイメージする世代だと50代以上となってしまいますが、このレトロデザインは、若い子には「エモい」存在になるはずと、若者人気にも期待を込めています。
ただ市場の要望ではなく、自分たちが乗ってみたいEVとして開発しており、ファンにホンダらしさをしっかり感じ取ってもらえるはずと強調します。
2026年から日本を皮切りに、英国やアジア各国などで発売予定。このことからも価格については、「N-ONE e:というベース車があるため、皆さんに納得してもらえる値段を目指します」とのことでした。
BEVのイメージを大きく変える存在となる可能性を秘めたスーパーワンについて話を聞いていると、発売が待ち遠しく感じてしまいました。
まだ詳細なスペックは明かされておらず未公表の機能もあり、今後も発売まで継続的に情報を発信していくとのことなので、まずは新年早々の「東京オートサロン2026」での動きにも注目です。

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