全長4.5m! ホンダ高性能「“4WD”スポーツセダン」! 4座すべて「バケットシート」な“斬新レイアウト”採用! 4人全員が「スポーツドライブ」を楽しめる“スカイルーフ”も搭載の「スポーツ4」とは!
全長4.5m! ホンダ高性能「“4WD”スポーツセダン」!
2025年10月29日から11月9日まで開催された「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」では、各メーカーから未来のモビリティが提案されて期待が高まりました。
【画像】超カッコイイ! これがホンダ高性能「“4WD”スポーツセダン」です!(36枚)
同時に、過去のモーターショーで発表された先見的なコンセプトカーもその存在も、技術の進化を物語る重要な指標となります。

この記事では、ホンダが2005年の「第39回東京モーターショー」で世界初公開したスポーツセダン、「スポーツ4コンセプト(以下、スポーツ4)」と、その野心的な提案を振り返ります。
スポーツ4は、「運転技術に左右されずに、誰もが自在に操る楽しさを味わえること。その楽しさをすべての乗員が感じられること」という、極めてホンダらしい哲学のもとに開発されたコンセプトカー。
これは、ドライバーだけでなく同乗者も含めた「すべての乗員が歓びを共有する」という、新しい時代のスポーツカーの在り方を提示するものでした。
そのコンセプトを具現化するため、スポーツ4は全長4580mm×全幅1850mm×全高1360mmという、ミドルサイズのセダンボディを採用。
「高い運動性能」と「快適な居住空間」のベストバランスを狙った設計です。
そして注目すべきは、ホンダ独自の四輪駆動力自在制御システム「SH-AWD」が搭載されていた点でしょう。
このシステムは、ドライバーの操作や走行状況に応じて、前後輪の駆動力を70:30から30:70の範囲で可変配分するだけでなく、後輪の駆動力を左右の車輪間で連続的に制御することが可能。
これにより、4輪それぞれの駆動力が常に最適にコントロールされ、ドライバーの操作に忠実な旋回性能と、高い車両安定性を実現させていたのです。
このSH-AWDは、後にホンダの最高級セダン「レジェンド」(海外ではアキュラブランドの「RL」)など、市販車にも搭載され、ホンダの走りの質感を飛躍的に高める技術として実を結びました。
そしてスポーツ4のエクステリアは、低重心かつ低慣性のローフォルムとし、シャープなラインと豊かな面のコントラストを強調。
研ぎ澄まされた鋭さと、グラマラスな美しさを兼ね備えた、スポーティかつ上質なデザインとなっています。
インテリアも、その先進的なコンセプトを反映させたもので、必要に応じて開閉するポップアップモニター付きの「インテリジェント・ナイトビジョンシステム」を採用。
各種メーターやスイッチ類は初めての乗車でも操作しやすいレイアウトで、瞬間認知・直感操作が追求されていました。
また、メタル/ウッド/レザーといった異素材を彫刻のように組み合わせた、大胆で上質なデザインもスポーツ4の見どころでした。
さらにユニークなのは、シート構成とルーフ機構です。
車内は4席独立したバケットシートによってレイアウトされており、ドライブ中であっても、それぞれの乗員がパーソナルな空間を享受できる設計となっていました。
そして、ルーフには大きなガラスが広がり、4席それぞれが独立してルーフを電動開閉できる「パーソナルスカイルーフ」機能を搭載。
これにより、オープンドライブの爽快感をすべての乗員が個別の判断で満喫できるという、当時としては他に類を見ないユニークな提案を行っていたのです。
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こうしてスポーツ4は、技術革新を背景に「スポーツカーの楽しみはドライバーだけのものではない」という新しい価値観を提示しました。
残念ながら、同車自体は出展から約20年が経過した現在も市販化されていませんが、その中で示された「乗員すべてを包み込む快適性と操る楽しさの融合」という思想は、現代の電動化時代におけるグランドツーリングカーの理想形としても、改めて評価されるべきでしょう。

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