全長4.3m! トヨタ「斬新スライドドアSUV」が魅力的! 「シエンタ」サイズの“カクカクボディ”に2リッターHV搭載! “4WDミニバン”「Tjクルーザー」2017年披露モデルは今欲しい1台
トヨタによる「ミニバン×SUV」の提案
現在新車販売台数においてメインとなっているのが、両側スライドドアを持つミニバンと、マルチに使えてタフで力強いSUVの2つです。しかし、この2つのモデルをかけ合わせたクルマは、三菱「デリカD:5」が販売されているのみで、他社には存在しません。
【画像】超カッコイイ! これがトヨタの「スライドドアSUV」です! 画像で見る(39枚)
しかし、実はかつてトヨタはそうした「ミニバン×SUV」を提案したモデルが存在しました。今もなお、市販化を求める人が絶えないコンセプトカーを振り返ります。

それが、トヨタが2017年に開催の「東京モーターショー」で披露した「Tjクルーザー」です。
発表当時、「新ジャンルのクロスオーバーコンセプト」だといい、まさにミニバンとSUVをかけ合わせたモデルとなっていました。
車名の「Tjクルーザー」の由来は、道具箱のように使い倒せる“TOOL-BOX”の「T」、クルマで出かける楽しさを意味する“Joy”の「j」、「ランドクルーザー」などトヨタの堅牢なSUVで使用してきた“CRUISER”の名称を組み合わせたものです。
ボディサイズは全長4300mm×全幅1775mm×全高1620mm、ホイールベースが2750mmです。
トヨタ「シエンタ」程度のコンパクトサイズですが、短いボンネットや長いホイールベース、さらにムダのないスクエアな形状とすることで、居住空間を最大化。両側スライドドアも備え、使い勝手を追求。
いっぽう、大径タイヤ&ホイール、頑丈なイメージを与える力強いフロントマスク、大きく盛り上がったフェンダーなどは本格四輪駆動車のような存在感を与えています。
またボンネットとルーフ、フェンダーなどには、物を置いても傷や汚れがつきにくいケアフリー素材(強化塗装)を採用。着替えやアウトドアギア・アイテムを装着したりする場面を想定し、利便性を高めています。
インテリアは堅牢感のある直線基調のインパネに、有孔ボードのようなデザインのドアトリムを備え、各部にはベルトをモチーフにした意匠をあしらっています。
アウトドアギアなどを取り付けたりできる実用性に加え、アウトドア感の演出にも役立っています。
さらにシートの裏側やラゲッジのデッキボードなどには多数の固縛ポイントを採用しました。
荷物の固定や例えばアクションカメラの設置など、多数の非常に便利な機構が採用されています。
助手席シートはのちに登場したホンダ「N-VAN」のようなフルフラット化が可能で、例えばサーフィンのロングボードなど、約3mまでの長尺物であれば、そのまま積載ができます。
プラットフォームには次世代の「TNGAプラットフォーム」を採用。パワーユニットは2リッターエンジン+モーターのハイブリッドシステムを想定。駆動方式は前輪駆動および4輪駆動としており、非常に現実的なパッケージングとなっています。
公開時は、コンセプトカーとしては実にリアリティがあり、さらに異例ともいえる詳細スペックまで公表されていたことで、発売が予定されているものだとして大いに話題になりました。
しかし公開から8年以上が経過した今もなお、Tjクルーザーに関する続報は一切なく、もしかすると「お蔵入り」になってしまった可能性もあります。
とはいえ、SUVの力強さとミニバンの使い勝手を融合させたモデルとして三菱 デリカD:5が根強い人気を獲得しており、10年以上の長いモデルライフながらコンスタントに売れ行きを維持。こうしたモデルの需要が高いことがわかります。
さらに現在、コロナ禍を経たことで新しい生活様式が浸透。移住や田舎暮らしなどライフスタイルの大きな変化のみならず、ロックダウン中のキャンプやアウトドアレジャーの再ブームなどをきっかけに、SUVやクロカン車の“日常使い”は一般的になりました。
SNSなどでも今もTjクルーザーの登場を待ち望む人が多く、度々話題になっています。
当時の市販化にはいささかニッチすぎるモデルだったのかもしれませんが、時代の変化とともに再び注目を集めているようです。

ライブカメラ



