新型「エルグランド」自腹購入! “1700km”走って「ワインディング&高速道路」は実際どう? “燃費”は下道で「リッター30km」表示も! オーナーだから分かった「“新型”最高級ミニバン」の実力とは!
新型「最高級ミニバン」自腹購入して“1700km”突破!
筆者(自動車ジャーナリスト 吉川賢一)は、2026年7月16日に発売された日産の新型「エルグランド」(エルグランド X e-4ORCE)を自腹購入しました。消費税込み価格は689万7000円で、オプションを含めコミコミ750万円を超える出費でした。
7月末の納車からすでに走行距離は1700kmを超えた今、高速道路やワインディングでの安定性や静粛性、実燃費など、実際に長距離を走って実感した印象について、オーナーの本音として紹介します。
【画像】超カッコイイ! これが新車750万円超えの新型「最高級ミニバン」です!(91枚)
高速道路でまず感じるのが、直進安定性の高さです。
100km/h前後で巡航していると、大柄なボディを意識させるようなフラつきは少なく、レーンチェンジもスムーズ。進路を頻繁に修正する必要がありません。
それは全長4995mm×全幅1895mm×全高1970-1975mmという大柄で背の高いボディを感じさせないものです。
先進運転支援機能「プロパイロット」を使わなくても安定性は高く、シャシーの出来のよさを感じます。
起伏の多い区間でも、路面のうねりを越えると車体は上下に動かされるものの、その揺れがいつまでも残ることはなく、スッと収まります。
「ダンピングがよい」と表現される動きですが、足を固めて抑制するタイプではなく、サスペンションをしっかり動かしながら車体の揺れを収めるセッティングです。
新型エルグランドの電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」と電制サスの「インテリジェント ダイナミックサスペンション」が、良い意味で目立ち過ぎずに自然な動作をしてくれていることを実感できます。

新東名などの120km/h区間でも印象は大きく変わりません。
横風などの外乱を受けても進路が乱れにくく、大柄なミニバンながら高い安定感があります。さらにプロパイロットを使えば、長距離でも運転による疲労を感じにくく、高速道路を長く走る際には大きなメリットだと感じました。
ただし、荒れた路面が続く区間でガタガタと揺すられると、車体が左右にフラつくような動きが出ることが何度かありました。「怖い」というほどではありませんが、普段の安定感が高いだけに、突然こうした動きが出るのは気になります。
現時点では、路面状況との組み合わせによるものなのか、その原因までは分かりません。
山坂道やワインディングのような郊外路でも、走りのよさを感じます。
「コーナーを気持ちよく攻められる」というものではありませんが、安心感が途切れることがなく、大きなうねりを越えたあとも車体の動きはスッと収まり、コーナーでもロール感は小さく抑えられています。
大柄なボディゆえ、対向車とのすれ違いが必要な狭い道では、車幅を常に意識する必要がありますが、山坂道やワインディングでの安定感はかなり高いと感じました。
また、運転好きにぜひ試してほしいのがドライブモードによる走りの変化です。
「COMFORT(コンフォート)」「STANDARD(スタンダード)」「SPORT(スポーツ)」は分かりやすい違いがあります。
COMFORTは揺れを少し許容した、ひと昔前のラグジュアリーカーのようなふわりとした乗り味。
STANDARDでは揺れが早く収まり、パワートレインの制御も変わることで、アクセルを踏み込んだときのレスポンスが軽快になります。
SPORTでは、さらにアクセルレスポンスが上がります。
個人的にはSTANDARDが好みです。同乗者がいる場合も、揺れを長く残さないSTANDARDのほうが、安心感があるかもしれません。
新型エルグランドの本質的な「魅力」とは
そして、高速道路やワインディングを長時間走るなかで、改めて感じたのが「静粛性の高さ」です。
旅行やゴルフなどで遠出をする際、高速道路を降りてから目的地へ向かう最後の区間で、流れのよい幹線道路や山道を30分、40分と走ることがあります。
ここでロードノイズやエンジン音が大きいと、目的地に着くころには疲れが出てしまいがちですが、新型エルグランドは最後の区間でも疲れにくいのが印象的です。

筆者は遠出をするとき、夜明け頃に自宅を出ることが多く、あえてラジオや音楽を流さずに走ることがあります。
朝の静けさのなかで聞こえてくるのは、タイヤが路面と接するわずかな音と、遠くから聞こえてくるようなエンジン音です。車内が静かなぶん、運転にも集中しやすく感じます。
これは、これまで乗ってきたガソリン車やディーゼル車とは明らかに違う感覚です。
ハイブリッド車でも、走行開始直後のエンジン音やロードノイズが気になることはありますが、新型エルグランドは外の音と隔絶されたような感覚があります。
遮音性の高い窓ガラスや「アクティブノイズコントロール」、そして振動を軽減した第3世代の「5-in-1」e-POWER電動ユニットなどによる複合的な効果でしょう。
この静粛性は「乗り心地のよさ」だけではなく、長距離ドライブでの疲れにくさにもつながっていると感じています。
実燃費についても、興味深い特徴がありました。
これまで2度の満タン給油をしており、1回目は約800km走行時点で残り走行可能距離が約250km、2回目は約900kmで残り約130kmでした。どちらもエアコンを26度設定で常時使用し、一般道約3割、高速道路約7割という使い方です。
高速道路では渋滞にも遭遇しています。高速走行では、プロパイロットでの巡航を基本とし、新東名や東北道では120km/hで巡航する場面もありました。
こうした条件で走った結果、給油量から計算した実燃費は15~16km/L程度です。
新型エルグランドのカタログ燃費は16.8km/L(WLTCモード燃費)で、市街地15.2km/L、郊外17.8km/L、高速道路16.9km/Lと記されています。
今回の実燃費は、WLTCモード燃費に近い数値となりました。
興味深いのは、高速道路を降りたあと、一般道や山坂道、ワインディングを走ると、燃費が大きく改善する傾向があること。高速道路を走った直後には13km/L前後を示していても、目的地へ向かう最後の一般道や山道を走るうちに、燃費計の数値が伸びていきます。
とくに流れのよい郊外では、瞬間燃費計がメーター上限の30km/Lを表示し続けることもあります。高速道路で落ちた燃費を、郊外の一般道やワインディングで取り戻しているような感覚です。
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1700kmを走って改めて感じたのは、新型エルグランドの魅力は速さではなく、どんな道でも安心して走り続けられることです。
高速道路からワインディングまで安定感が高く、最後の山道まで静かで疲れにくく、目的地に着いても「もう少し走りたい」と思わせてくれる……。
そんな気持ちにさせることも、新型エルグランドを長距離で走らせて感じた大きな魅力として実感することができました。

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