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2026.07.01
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NEXCOが「悪質“重量オーバー車”」を摘発! 「22トンオーバーで走行」の事例も? 「ルール知らずの外国人ドライバー」も増加! 迷惑な「車両制限令違反」取締りを公開

東北道で「重量オーバー違反取り締まり」の様子を公開

 NEXCO東日本 関東支社は2026年6月30日、東北道下り線の浦和本線料金所で「車両制限令」違反車両の取り締まりの様子を公開しました。
 
 車両制限令(車限)とはどのような違反で、違反の現状はどうなっているのでしょうか。

【画像】「ええぇぇ…」 これが「実際に重量オーバー違反した車両」です(30枚以上)

 そもそも車両制限令とは、道路構造の保全と交通の危険防止を目的として、道路法第47条に基づき1962年(昭和37年)2月に施行された政令のことで、通行できるクルマの大きさや重さなどの諸元の上限(一般的制限値)を定めています。

 具体的には、長さ12m×幅2.5m×高さ3.8m(高さ指定道路は4.1m)まで、総重量は20トン(高速自動車国道または重さ指定道路では25トン)まで、軸重は10トンまでなどとされています。このほか、輪荷重や最小回転半径、隣り合う車軸の軸重合計重量なども規定されています。

 前提として、道路はこの道路法に基づいて設計されているため、サイズオーバー車で通行すると道路上の標識や信号、料金所などの施設などに衝突したり、カーブを曲がりきれないことがあります。

 重量オーバーも同様で、設計段階の重量をオーバーすると、想定よりも舗装や橋梁など、道路構造物に与えるダメージが大きく、補修工事の頻度を増加させることになります。

 近年は道路ネットワークが急速に発達してから月日が経ったことによって、道路自体の劣化が顕著になっており、NEXCO東日本が管轄する道路でも約半数が建設から30年を迎えています。重量オーバー車はその劣化に追い打ちをかけている状況です。

東北道浦和料金所を22トン以上オーバーした車両制限令違反車両[写真:くるまのニュース編集部撮影/2026年6月30日]
東北道浦和料金所を22トン以上オーバーした車両制限令違反車両[写真:くるまのニュース編集部撮影/2026年6月30日]

 さらに、重量オーバーの問題は道路のみならず、周辺の交通にも多大なリスクを負わせることになります。重量オーバーにより、運転時にはブレーキの不足や操縦安定性の低下、タイヤのグリップ力の超過などから、衝突事故や横転・転覆など、重大事故を引き起こすリスクも高まり、長時間の通行止めを余儀なくされることも増えています。

 ただし、鉄道車両や変圧器などといった大型資材の輸送や、大規模工事現場への超大型オールテレーンクレーンの搬入などで、どうしても一般的制限値を超える場合もあります。

 そうした状況では「特殊車両(特車)」という扱いとなり、車両の諸元や通行経路、時刻などを細かく設定したうえで、「特殊車両通行許可(特車通行許可)」を事前に取得すれば、グリーンの回転灯を備えた伴走車を置くなど、通行条件を指定し、特例で通行できる許可が下りることがあります。

 この特車通行許可の手続きはオンラインで行えるようになっていますが、それでも無許可・無認可走行はなくなっていないのが現状で、無許可の重量・サイズオーバー車による事故もなくなっていません。

 このため、NEXCO各社や各道路管理者は取り締まりを強化しています。

 具体的には「車両制限令等違反車両取締隊(車限隊)」を組織内に設けており、サイズや重量超過が疑われるクルマを停車させて確認し、違反が確認されれば「措置命令書」をその場で交付します。

 今回、NEXCO東日本 関東支社では、報道向けに取り締まりの様子を公開しました。取り締まりは東北道下り線の浦和本線料金所で実施されています。

 車限隊は総勢15名程度の専用部隊で構成されており、料金所手前で「選定員」が違反と疑わしき車両を発見します。そして料金所周辺にいる「速度抑止」の係が周辺車両も含めて減速させ、安全に配慮したあと、料金所ゲートで待つ「警告員」が停止命令を下します。

 停止命令が下った車両は「誘導員」の指示でそのまま料金所脇にある測定・監視スペース(通称「車限タワー」)に誘導され、「計測員」が測定。測定で違反が確認できれば「説得員」が違反内容の説明と違反事実を知らせ、積荷を減らしたりする「措置命令書」を交付し、車両制限令に合致するように対策を取らせます。

 早速、違反が疑われる大型トレーラーが浦和料金所に近づいてきました。無線で各隊員に車両の情報がすぐに共有され、各隊員がそれぞれ役割分担し、車限タワーに誘導されてきます。

 計測したところ、東北道の重量制限25トンをはるかに超える「47.1トン」であることが判明し、その場で違反(摘発)となりました。基準の約1.9倍という悪質なもので、参考までにあと3トンオーバーしていれば「一発レッドカード」となる告発の対象で、大幅な重量オーバーでした。

 隊員は違反事実を知らせ、措置命令書を交付するとともに、このまま東北道本線を走らせるわけにはいかないので、つぎの岩槻ICで退出命令処分が下されました。

 違反者は荷物を減らし、さらにその状態を写真で撮ってNEXCOに送る必要があり、違反ではないと確認されればもう一度高速に乗ることができます。

 もし積荷を減らせない場合は、指定された場所で停車し、特車申請をして許可が下りれば通行することができます。

 その40分後、今度は外国人が運転する白いダンプが被疑車両として車限タワーにやってきました。積荷は瓦礫です。この車両も測定結果、「26トン」ということで、このクルマの上限「22トン」に対し、4トンオーバーになります。

 たかだか1トンと思うかもしれませんが、道路に与えるダメージは設計の重量を超えており、相当なものです。さらに操縦安定性が損なわれ、事故に至る可能性もあります。実際、車両のタイヤは重量オーバーのせいか潰れており、雨が降ればスリップ事故は避けられません。

外国人も増えてきた? 車限違反の現状は

 では、どうやって違反車を見極めているのでしょうか。NEXCO車限隊の担当者に話を伺いました。

「選定員は重量超過が疑われる車両かどうかを見極める役割があるのですが、これはタイヤの沈み具合やバウンドの仕方で判断しています。(取り締まりで)長年培ってきたノウハウを発揮して、見極めているところです」

 いわば「重量オーバーGメン」といった専門の部隊で構成されているため、被疑車両の見極めはつくようですが、その先陣を切る「選定員」はそのなかでもベテランが担当しているそうです。近年は若い世代にも担当を任せ、ノウハウを継承しているそうです。

東北道浦和料金所を4トンオーバーした外国人ドライバーの車両制限令違反車両[写真:くるまのニュース編集部撮影/2026年6月30日]
東北道浦和料金所を4トンオーバーした外国人ドライバーの車両制限令違反車両[写真:くるまのニュース編集部撮影/2026年6月30日]

 また、車限違反の現状についても聞いてみました。

「昨年度(2025年4月〜2026年3月)では、NEXCO東日本 関東支社にある3隊合計で2200台程度の被疑車両を引き込んで測定し、530件の取り締まりを行いました。約25%が違反ということになります。

 そのうち75%が重量にかかる超過になっておりまして、残りの25%が幅や長さ、高さの違反があるということになります。体感はもうほとんどが重量にかかるものです」

 しかし、実際には車限違反者はもっと多いそうで、車限隊が取り締まりを行わない時間帯を選んで通行したり、車限取り締まりの情報が共有され、そこを回避するドライバーがいたりなど、いたちごっこの様相を呈しているようです。

 さらに、近年は外国人も増えていると話します。

「ここ1〜2年はちょっと増えたような感覚があります。日本語を話せる人も当然いますが、なかには日本語を話せない人もいまして。その時はスマホアプリの翻訳ソフトで、やり取りしたり、運転手さんに日本語を話せる方に電話で代わってもらい、通訳をしてもらってやり取りをしています」

 今回も2台目の車両は外国人であったことも、外国人ドライバーが車限を含めた交通ルールを理解できていない実情が浮き彫りになりました。

 今後の取り締まりについて、今回の車限取り締まりの隊長を務めたネクスコ・パトロール関東 加須車限事業所 小野田正人 隊長に伺いました。

「年々、車両制限令に違反する車両が増えてきているのが実態です。なかには取り締まりを避けて、一般道へ迂回をしたり、取り締まりを行っていない時間帯を狙って走行するなどの悪質な車両もあり、そのような極めて悪質な車両に対するアプローチを検討していきたいと考えております。

 また、過積載という言葉はよく耳にする機会があると思いますが、車両制限令という言葉を耳にする機会があまりなく、世間的な知名度もまだまだ低いと感じています。

 広報活動に力を入れ、車両制限令に関する世間の認知度の向上を図るとともに、『重量超過は悪である』という意識の向上を図っていきたいと思います」

※ ※ ※

 重量オーバー車が道路に与えるダメージは相当なもので、例えば軸重を制限値の10トンよりもオーバーした20トンの状態で通行すると、道路のコンクリート床版に対し、制限値最大で通行したクルマの「4096倍」という途方もないダメージを与えます。

 また国の試算によれば、道路の劣化の9割は、わずか0.3%の台数の重量超過車両が引き起こしているといいます。

 この事態を受け、国土交通省でも2014年に「道路の老朽化対策に向けた大型車両の通行の適正化方針」を策定し、車両制限令の「2倍超過」の悪質な重量オーバー事例については、「一発レッドカード」に処すことにしました。

 また2026年6月にも、行政指導や刑事告発をしやすくするように道路法に基づく規定を改正すると明かしています。

 高速道路を安心・安全に通行できるように、今後はルールを破る悪質違反者への取り締まりがさらに厳しくなる方針です。

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