神出鬼没の「移動オービス」が埼玉で盗まれた!? まさかの「窃盗被害」で注目される「速度取り締まり機」どう取り締まるのか
窃盗事件でにわかに注目集める「移動式(可搬式)オービス」とは?
2026年6月18日、いわゆる「移動式オービス(可搬式オービス)」と呼ばれる自動速度取り締まり器が埼玉県内にて盗まれたというニュースを見て、筆者(オービスガイド 大須賀克巳)はとても驚きました。
【画像ギャラリー】「えええっ…!」これが最新の「“新型”半固定式オービス」設置場所です! 画像を見る(30枚以上)
なぜなら筆者は、これまで100か所以上の移動式オービスが設置されている現場へ行きましたが、移動式オービスの近くでは必ず警察官が待機している様子を見てきたからです。
設置場所にもよりますが、警察官は移動式オービスの後ろに立っていることや、パイプ椅子に座っていることが多いです。一見、無人で置かれているような場合でも、よく見ると近くに駐車した警察車両の中から監視しています。
さらに移動式オービスは持ち運びが可能ですが、三脚に設置され、各種ケーブルが接続された状態です。そこから配線を外して持ち去るには、それなりに時間がかかると思われます。いったいどうやって持ち去ったのかは明らかにされていません。
盗まれた移動式オービスが設置されていたのと同じ場所と思われる移動式オービスは、事件前日に「オービスガイド」へ写真付きで投稿されていました。
その投稿写真や、現場と思われる場所を「Googleストリートビュー」で確認すると、見晴らしの良い道路だということがわかります。
今回の現場となった国道125号線は交通量も多いので、きっとどなたかのドライブレコーダーに映っているのではないでしょうか。もし情報をお持ちの方がいましたら最寄りの警察へご連絡下さい。
![「移動式(可搬式)オービス」取り締まりの実態とは[※画像は今回の盗難現場とは異なります/イメージPhoto:オービスガイド]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2025/01/20240105_Speed_Camera_Traffic_Accident_0000.jpg?v=1704435789)
盗難被害により話題となっている移動式オービスですが、そもそもどのような機器なのかご存じでしょうか。ここであらためて基礎知識を紹介しましょう。
移動式オービスは、速度違反のクルマを可搬式の小型カメラで撮影・記録し、後日ハガキなどで呼び出して違反処理を行う仕組みです。
同じように速度取り締まりをおこなう、通称「ネズミ捕り」のようにその場で違反処理を行う広いスペースや人員が不要です。
畳1帖ほどのスペースがあれば設置できるため、通学路などの生活道路での違反を取り締まることを主な目的で導入されました。
現在では活躍の場を幹線道路や高速道路にも広め、速度違反に目を光らせています。警察官1名(通常2名)でも移動ができ、オービス本体を三脚にセットして運用します。
またこのほかにも、1台の移動式オービスを複数の拠点へランダムにセットし、無人で稼働する「半固定式オービス」という新種も、全国で普及が進んでいます。
現在、国内で運用されている移動式オービスは、下記3メーカーの4機種です。都道府県ごとに導入されている機器は異なり、複数の種類を組み合わせている地域も多くあります。
2017年4月に初めて愛知県で移動式オービスの運用が開始されて以来、今では全ての都道府県で運用され、毎年台数を増やしています。
●LSM-300/LSM-310
東京航空計器(TKK)の製品で、最初に登場したLSM-300は縦長の直方体の筐体をもち、フラッシュの色は赤色で白黒撮影となります。
新型のLSM-310は、ストロボ部分とカメラ部分を上下2段重ねでセットします。フラッシュの色は白色でカラー撮影です。筐体はどちらも白色で最大の特徴はレーザーで速度計測をしています。
●MSSS
スウェーデンの計測器メーカーSensys Gatoso Groupの製品で、本体は現在稼働中の移動式オービスの中で一番コンパクトです。
カメラ本体とストロボを別々の三脚で運用するセパレートタイプで、しかも黒っぽい色なので、特に夜間にこれを見つけることは至難の技です。
フラッシュの色は白色。カラー撮影が可能で、レーダーにより複数車線を取り締まることができます。
●JMA-520
日本無線(JRC)の製品で、形状は白色で横長の直方体です。最近登場した機器で、フラッシュの色は白色、カラー撮影ができます。レーダーによる計測ですが、ステルス(速いクルマにだけ照射)運用が可能といわれています。
移動式オービスが設置される場所はさまざまです。
街中の生活道路では、学校や幼稚園の近く、抜け道に使われる道路や住民から要望があった場所などによく設置されます。
幹線道路では、速度の出やすい場所や事故の起きやすい場所、最近大きな事故が起こった場所などに設置されます。
高速道路では、サービスエリアやパーキングエリア前、インターチェンジやジャンクション周辺のゼブラゾーン、道路管理施設にも置かれます。首都高速や都市高速では非常駐車帯に設置されることも珍しくありません。
時間帯は、生活道路では通学時間帯などが主で、幹線道路や高速道路では深夜でも運用されます。小雨程度なら問題ない防水仕様で、トンネル内での運用も各地で増えています。
神出鬼没の移動式オービスはどうやって運用されている?
ネズミ捕りであれば、定番ポイントのような場所があり、地域住民にも比較的良く知られていることもあってか、地元のドライバーが違反することはあまりありません。
しかし、どこにでもすぐに設置できる移動式オービスは神出鬼没で、地元のドライバーでも予測できません。
そのため移動式オービスが設置される場所を予測することはとても難しいのですが、逆に移動式オービスが設置できない場所を見極めることはある程度可能です。
窃盗事件のところで述べたように、警察官が安全に監視できる場所があることや、移動式オービスを運ぶ警察車両を駐車しておけるなどの条件が必要です。
![近年は「移動式オービス」を画像のような「拠点」へセットして使用する速度違反自動取締装置、通称「半固定式オービス」も増えています[画像は取締り機器未セットの状態(沖縄自動車道にて)/撮影:オービスガイド]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2027/01/20260113_01_ORBIS_OKINAWA_Highway_.jpg?v=1768281072)
ただし、片側2車線の道路では、1車線を封鎖して積み下ろし後、車両を別の場所へ移動するなど様々なケースがあります。
警察署や駐在所の近くに設置される場合は、日によって50メートルずつ移動したりすることもあるようです。
そんな移動式オービスですが、新聞・ラジオ・SNS・警察のホームページなどで事前に予告される地域もあります。
また、幹線道路の電光掲示板に「県内移動式オービス実施中」や「可搬式オービス取締中」などと表示されている場所もあります。
固定式のオービスの場合、必ず手前に設置されている予告看板ですが、移動式オービスの場合は、設置する地域と設置しない地域があるようです。設置しない地域は、SNSなどでの告知を予告看板の代わりにしているとしています。
移動式オービスが「何キロ以上の違反から撮影するのか」が気になる人もいるでしょう。
これは交通状況により自由に警察官が設定するようですが、一般的に15キロ以上速度超過すると撮影されるといわれています。
固定式オービスの場合は、一般に免停となる「赤切符」レベルが基準となっているようですが、移動式オービスは「青切符」レベルでも対象となります。なかでも、もともと速度域が低い生活道路などは特に厳しく取り締まる傾向にあります。
移動式に限らず、オービスはフラッシュを光らせて撮影をおこないます。
筆者に対し、「そのフラッシュの光の強さはどのくらいか」と質問されることがあります。
これはほんの一瞬ですが、日中でもとても明るく光ります。仮に違う方向を見ていたりまばたきをしていても、普通の人であれば気がつくくらいの明るさです。
筆者も移動式オービスにテスト撮影された経験がありますが、1メートル先でスマホのフラッシュ撮影された感じです。運転に支障をきたすことはありませんが、99.9パーセント気が付くと思います。
「光ったように感じた」レベルの人は、何かの反射や見間違いかもしれません。
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そもそも移動式オービスとは、速度超過をしていなければ全く関係のないことです。
オービスがあろうがなかろうが、周囲を思いやり安全な速度で走ることが大切なのは、いうまでもありません。

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