フタバ産業「剛性変化」シミュレーターとDolby Atmos+Visionを体験! 人とくるまのテクノロジー展 2026 名古屋
フタバ産業でドライビングシミュレーターを体験!
公益社団法人自動車技術会が主催する「人とくるまのテクノロジー展 2026 NAGOYA」が、2026年6月17~19日の3日間にわたってAichi Sky EXPO(愛知県常滑市)で開催されました(オンラインステージは7月1日まで開催中)。
【画像】体験型コンテンツが面白い! 人テク名古屋「フタバ産業」「Dolby Japan」ブース(29枚)
同年5月に行われた横浜会場に続き、愛知会場でも3日間で3万4000人を超える来場者が訪れ、多くのブースがにぎわいを見せていました。
今回はそのなかでも、ユニークな体験型コンテンツを用意していた「フタバ産業」と「Dolby Japan」の2社のブースを紹介します。

愛知県岡崎市に本社を構えるフタバ産業は、クルマのボディや足まわり、排気系などの部品を取り扱うサプライヤーです。
「環境」「安心」「豊かな生活」の3分野において価値を提供するという方針のもと、今回の展示会では「クルマのユーザーへさらなる豊かさを」をコンセプトに、ボディや電池・排気系部品の技術開発について紹介していました。
そのなかの1つとして用意されていたのが、インパネリインフォースメントの開発の取り組みやその効果を体験できる、フタバドライビングシミュレーターです。
インパネリインフォースメントとは、ダッシュボードの内部でステアリングやエアコンユニット、オーディオなどを支える大型部品のこと。フタバ産業は、鉄だけでなく、運転席側に大型のアルミダイキャスト素材を組み合わせる独自の製品技術を持っています。
「締結トルク」の変化で操舵フィールが大幅変化!
今回展示されていたシミュレーターには、実際にレクサス「NX」に採用されているインパネリインフォースメントが組み込まれていました。さらに、ステアリングやシートも実車と同一のものが使用されており、非常に本格的な作りとなっています。

シミュレーションは速度60km/hに固定されており、2000mの直線コースを走行しながらステアリング操作のみに集中して体験します。走行中、インパネリインフォースメント内のオレンジ色に塗られた部品の締結トルク(締め付けの強さ)を変化させることで、操舵(そうだ)フィールがどう変わるかを体感できるという内容です。
最初は規定のトルクでしっかりと締め付けられた状態でスタート。スラロームやレーンチェンジも難なくこなせます。しかし、走行途中で締結を緩めると、速度は同じであるにもかかわらず、クルマの挙動がステアリング操作から一瞬遅れるようになります。ふらつきが生じ、ライントレース性が悪化しました。
ステアリングの反応が曖昧になり、素早い切り返し操作をした際の「お釣り」も大きくなるため、途端に運転への不安感が増すのを実感します。
その後、再び規定のトルクに戻すと元のカッチリとしたフィーリングが復活し、見違えるように操作しやすくなりました。速度コントロールが自動化されているからこそ、たった1つの部品の剛性変化がステアリングフィールにどれほど大きな影響を与えるか、明確に理解できました。
精度の高いシミュレーターを用いて、部品の有無や締結トルクの強弱によるフィーリングの変化を検証するこの手法は、実際の開発現場でも活用されているそうです。
Dolby Japanブースで「Dolby Atmos」「Dolby Vision」を体験!
Dolby Japanは「没入感あふれる車載サウンド&ビジュアル体験」と題し、会場に2台のデモカーを展示していました。
1台はヤリスクロスを用いた「Dolby Atmos」の体験、もう1台はアルファードでの「Dolby Atmos + Dolby Vision」の体験です。2台とも今回のために特別に用意された仕様となっています。

ヤリスクロスに搭載されていたのは「4CHオーディオ車両向けソリューション」です。チャンネル数は4つ、使用スピーカーは6つと標準的な車両と同じ構成になっており、新たにスピーカーを追加することなく「Dolby Atmos」の世界観を楽しめる点をアピールしています。
実際に運転席に座り、マイケル・ジャクソンの「スリラー」のDolby Atmos音源を試聴しました。
冒頭の門が開くきしみ音から、すでに空間の広がりを鮮明に感じ取れます。イントロの動物の遠ぼえが後方の奥深くから聞こえてくるなど、スピーカーがたった6つしか搭載されていないとは到底信じられません。車内のあらゆる方向から音が降り注ぎ、「これが立体音響か!」と思わず声に出してしまうほどの臨場感に包まれました。
21個のスピーカーに15インチ専用ディスプレイ
続いて、アルファードで「Dolby Atmos + Dolby Vision」を体験しました。こちらは天井を含む21個のスピーカーが配置された7.1.4チャンネル構成で、標準仕様から大幅にアップグレードされています。
さらに、Dolby独自のHDR(ハイダイナミックレンジ)規格である「Dolby Vision」の実力を遺憾なく発揮する、15インチ専用ディスプレイも搭載。映像と音響それぞれを「ON」「OFF」に切り替えて比較できるコンテンツが用意されていました。

映像のシチュエーションは映画や音楽ではなく、鎌倉周辺で収録された日常の風景です。風に揺れる竹林、波が打ち寄せる海岸沿い、電車やクルマが通り過ぎる音などが切り取られています。
強力なシステムによるクリアな音質と音の輪郭の正確さもさることながら、圧倒されたのは映像の滑らかさと発色の美しさです。15インチのモニターに映し出される色鮮やかな映像と立体音響が相まって、まるでその場にいるかのような臨場感を「目」と「耳」の両方で体感でき、クルマの中にいることを忘れてしまうほどでした。
普及に向けてはコストなどの課題があるかもしれませんが、クルマという移動空間での過ごし方が根本から変わる可能性を感じさせる、非常にインパクトのある体験でした。
担当者に話を伺ったところ、特にヤリスクロスのデモカーでは「標準的な車両構成のままでもDolby Atmosの空間音響を十分に楽しめることを多くの人に知ってほしい」とのことでした。
実際、Dolby Atmosはメルセデス・ベンツがいち早く採用し、現在ではBMWやアウディも追随しています。中国市場でもレクサス、日産、マツダなどで対応車種が広がっています。
現在は高級車を中心とした採用ですが、車載システムにソフトウエアを導入するだけで利用できるため、ハードウエア面での導入障壁は低いといいます。今後はミドルクラスやコンパクトカーへも採用が拡大していくことが大いに期待されます。

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