ホンダ「インサイト」3度目の復活! エンジン車から乗り換えても違和感ない「心地よい加速感」が魅力!「EVのSUV」へと激変した新型モデルの実力は?
「インサイト」が3度目の復活!
ホンダ「インサイト」の歴史は「復活の歴史」。そういっても過言ではないでしょう。だって、新しいインサイトの登場によって、“3度目の復活”を果たしたのですから。
【画像】超カッコいい! これが「新型インサイト」です!(30枚)
2026年4月17日に発売された4代目となる新型インサイトの大きなトピックは、「車名こそ同じだけど、今までとは全く違うクルマ」だということ。これまでのインサイトとはまったく繋がりを感じさせない、EV(電気自動車)のSUVになったのです。
思えば、歴代インサイトはすべてボディタイプが違いました。1999年にデビューした初代は超小型で2シーターの3ドアハッチバック、約2年半のブランクを経て登場した2代目は5ドアハッチバック、その終了から約5年後に登場した3代目は少し大きくて上級志向の4ドアセダン。ボディタイプに縛られないクルマなのです。
とはいえ3代目までは共通点がありました。それは「ハイブリッドカー」ということです。
しかしそれも過去の話。新型は「エンジンを積まないEV」だから全く違う。つまりインサイトの新しい歴史を切り開くモデル……といっていいでしょう。

ちなみにこの新型、日本では「インサイト」ですが、海外では「e:NP2」「e:NS2」そして「e:N2」などとして販売されているモデル。「日本へ導入するにあたって知名度のある車名をつけた」というのが背景というわけです。
「ハイブリッド普及の先駆けとなった歴代ハイブリッドモデルのように、EVという新たな選択肢を用意してその普及の先駆けになってほしい」とホンダは説明します。
そんな“新型インサイト”ですが、よく考えてみるとホンダにおいてミドルサイズEVははじめての国内導入なんですよね。
ホンダのEV国内展開はまずコンパクトカーの「Honda e」を発売しましたが、これは先進装備や独自装備をたくさん用意した、高付加価値の実験的な車両でした。その後のEV展開は軽自動車の「N-VAN e:」と「N-ONE e:」の2モデルを投入し、それらは日常の足や道具としての実用性を重視した“地盤強化”。
そしてこの新型インサイトで「ファーストカーとしてのEV」も狙ってきたと考えれば、ホンダのEV戦略の流れが理解しやすいのではないでしょうか。
航続距離はWLTCモード535kmで、急速充電器では最大80kWまで受け入れ可能だから、ロングドライブもそれなりにこなせる実力といっていいでしょう。開発は中国にある開発拠点でおこなわれ、生産も中国。日本へは輸入車として導入されます。
ちなみに、新型インサイトのちょっと後に、N-ONE e:をベースとした小型車ボディのホットハッチのEV「Super-One(スーパーワン)」も発売され、ホンダのEVは徐々にラインナップを増やしています。
新型インサイトは走りがイイ!
さて、そんな新型インサイトを運転してみて、まずお伝えしたいのは走りについてです。これがかなり好感触なのです。
まず加速。発進でアクセルを踏み込むとグッと急激にトルクが立ち上がるわけではなく、かといって遅いわけでもなく、ちょうどいい塩梅で気持ちよく加速していくじゃないですか。
EVにありがちな、スムーズだけどどこか薄っぺらい加速ではなく、厚みを感じる、エンジン車から乗り換えても違和感のない加速感がいいですね。アクセル操作に対して素直な特性で心地いい。感覚が自然なのです。

走行モードを「SPORT」にするとスピーカーから疑似的なエンジン音が鳴りますが、これも秀逸。まるでエンジン車に乗っているかのような自然さで、加速感を立体的にしてくれる効果抜群です。
「静かなことがEVらしい」というのも理解できますが、筆者(工藤貴宏)のようにアクセルの踏み方に応じた音があったほうが、自然と感じるドライバーもまだ多いことでしょう。
モーターのトルクは310Nmと、ガソリン自然吸気エンジンでいえば排気量3リッターに相当するレベルなので、加速力自体は十分以上です。
乗り心地もEVとしては良好で、橋の継ぎ目を通過した時の衝撃のいなし方などは見事。ハンドリングもターンインから旋回中の安定感まで文句のつけどころはなく、気持ちいい。とてもよくできています。
もちろんブレーキだって違和感なく、自然に止まってくれる(EVのなかには回生協調との兼ね合いでブレーキに癖を持つクルマもある)。
こうしてドライブして感じたのは、新しいインサイトの走りに特別な凄さや特徴はないけれど、すべてが卒なく作りこまれていて平均点が高いということ。
開発者は「子育てが終わってゆっくり時間を過ごすような人にも乗ってほしい」といいますが、心地よさに満ち溢れる走行感覚は、まさにリラックスしてサラリとEVを乗りこなすような人にちょうどいいのだと感じました。数値的なものや刺激を誇るではなく、乗ったときにリラックスできるEVなのです。

ちなみに熟成した大人に向けたクルマと考えるのであれば、乗り降りしやすいクロスオーバースタイルも、広い荷室そして荷物を積み下ろししやすいハッチバックのパッケージングも理にかなったもの。
センターコンソールの前がスッキリした空間になっていることで、運転席~助手席間のウォークスルーができるのは意外に便利だし、後席が広いから日常の利便性も高いですね。
ところで心地よさといえば、装備においては「心地よさ」を高めるホンダ初採用のアイテムがいくつか備わっています。
たとえば標準装備のひとつに加え、ディーラーオプションも含めて6つの香りが選べるアロマは、エアコンの空気清浄機能と合わせて車内の快適性を高めてくれる。シートヒーターやステアリングヒーターに加えて、フロントドアの内側やインパネ下部まで温めるインテリアヒーターも搭載。ホンダ初採用ではないですが、BOSEオーディオも標準採用です。
EVということを強く意識させることなく、自然に乗れるクルマ。それが3度目の復活を果たしたインサイトに乗り感じたことです。
今後、少しずつとはいえEVは日本でも増えていくことでしょう。そうなると「EVの特別感」よりも「普通に乗れること」が大切で、新型インサイトはそんな将来を見据えた作りなのだと感じました。
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新型インサイトの車両本体価格(消費税込)は550万円ですが、国の補助金(130万円)を差し引くと実質420万円です。
いまやこのクラスのSUVは、スバル「フォレスター」のターボモデルが約370万円からで、ハイブリッドだと約450万円から。トヨタ「RAV4」が450万円スタートと、気が付けば400万円だと「高い」という部類ではありません。
そう考えると「実質420万円」という価格は、ハイブリッドと比べてリーズナブルなもの(独自の補助金がある東京都なら実質360万円になる)。補助金前提とはいえ、もはやEVも“高いから選ばない”という時代ではなくなったことを感じさせます。
ちなみに「EVはリセールバリューが良くない」という声もあり、実際のところは概ね事実なのですが、心配であれば残価設定ローンを組むのがいいでしょう。
ホンダの残価設定ローンであれば新型インサイトは5年後に170万円の残価設定となっており、「420万円のSUV」と考えれば妥当な水準といえます。

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