見渡す限りコペン、コペン、コペン! オーナー愛あふれる1000台のコペンとダイハツ関係者が勢ぞろいしたKeep it OPENイベント第1弾「OPEN DRIVE DAY in 富士スピードウェイ」リポート
ホームストレートが駐車場に! コペンゆえのダイハツ公式イベント
2026年5月16日、富士スピードウェイにおいて[Keep it OPENイベント#01]OPEN DRIVE DAY in 富士スピードウェイ(以下、オープンドライブデイ)が開催されました。
【画像】あなたの愛車もどこかに? 1000台が集まったダイハツコペンのイベントの様子(30枚以上)
2002年に初代が誕生したダイハツの軽オープンモデル「コペン」は、2014年に2代目へと進化するなど長年親しまれてきましたが、残念ながら2026年8月をもって生産を終了することがアナウンスされています。

そんな中開催された今回のイベント。ダイハツによると「Keep it OPEN」には、長らくコペンを支え続けてきたオーナーへの感謝と、ファンとの絆を未来につなげ続ける決意が込められているそうで、その記念すべき第1回目のイベントが今回の「オープンドライブデイ」というわけです。
当日は、富士山もくっきり見えるほどの絶好のオープン日和! 会場にはなんと1000台ものコペンが集結し、長い富士スピードウェイのホームストレートに小さなボディがひしめき合う光景は、どこかかわいらしくも壮観です。
7時30分からのパレードランを皮切りに、12時からはイベントステージで開幕セレモニーがスタート。ダイハツの井上雅宏社長は壇上で「同じコペンを愛する仲間が一堂に会することができて本当にうれしく思っております」と参加者に謝意を伝えました。
社長や幹部をはじめ、ダイハツ関係者も会場に集合
井上社長によると、企画当初は1000台のコペンが集まるイメージが想像できなかったそうですが、前日にイベントに向けて現地へ移動をしていた社員から、「高速道路がコペンで埋め尽くされています!」という報告を受けたというエピソードを明かしました。

ダイハツによると、今回のイベントには1000台の枠に対し2700台もの応募があったそうです。今後は、8月の生産終了までイベントなどを仕掛けていきながらオーナーとの絆をさらに強くしていくとのことで、次のイベントはコペンの誕生日でもある6月19日に開催されるといいます。(※イベントの詳細情報は近日発表)
コペンの特長は、なんといってもそのバリエーションの多さ! ホームストレート上には、丸目で愛らしいフォルムが印象的な初代から、2代目の「ローブ」「セロ」「エクスプレイ」のほか、2019年に追加された「GRスポーツ」、さらには2018年に数量限定で発売された希少な「クーペ」まで、さまざまなコペンが一堂に会しました。
夫婦やカップルなど男女ペアの姿が多く見られたほか、女性二人組や若い男性同士までオーナー層はさまざまです。ナンバーをチェックすると、関東・中部地方といった近隣県だけでなく、東北や四国、九州のナンバーも見つけることができました。
なんと沖縄から参加者も! オーナーの熱量あふれるイベントの数々
メインステージでは「偏愛選手権」として、コペンとオーナーに関するさまざま話題をテーマにトークが展開されていきました。
最も遠くから来場したオーナーに送られる「覚悟の遠征賞」は、沖縄県から来た「よな」さん。なんとフェリーと陸路で3日をかけて富士スピードウェイまでやってきたそうで、7年前のイベントでも表彰された経験もあるコペン愛にあふれたオーナーさんでした。

会場には、若葉マークやシニアマークを貼った車両も数多く見られました。
新車同様の美しさを保ったフルノーマル仕様から、サーキットが似合うレーシーなスタイル、さらにはアメリカンやヨーロピアンな雰囲気をまとった車両まで、そのカスタムは千差万別。オーナーの個性を優しく受け止める、コペンという車の「懐の深さ」と「幅の広さ」を改めて実感させられる光景でした。
またコペンに関するクイズ大会「COPEN王決定戦」は、「コペンのネーミングの由来」「初代の発売年」といった簡単な◯×クイズからスタートし、途中から4択クイズへと移行。「初代コペンが輸出されなかった国」「初代コペンのデビューTVCMの撮影地(国)」といった知識系だけでなく、「イベントに来場したコペンの中で2番目に多いモデル」といった難問で徐々に回答者の数が絞られていきます。
大盛り上がりのクイズ大会で、見事決勝に残ったのは4人。熾烈(しれつ)な早押しクイズを制したのは、愛知県から来たチャコさんで、「早押しをクリアできるとは思っていなかったので、コペン王の盾をもらえてとてもうれしいです!」と喜びを爆発させていました。
コペンオーナーを楽しませるイベントが盛りだくさん
会場では、そんなオーナーの“コペン愛”が伝わる(?)「見ないでCOPENお絵かき」といったコンテンツも行われました。
愛車のイラストが多い中、かつてダイハツが販売していたオープンカーの「リーザスパイダー」を描く猛者まで登場し、あまりのマニアックさにオーナーの愛の大きさ(偏愛?)を実感します。

そのほかにも、限定グッズが手に入るショップやミニ四駆コーナー、企業ブースやオリジナルフードを提供するキッチンカーも多くの人でにぎわい、時には大行列ができるほどの盛況ぶりでした。
筆者(ハシモトタカシ)は、「COPEN王決定戦」の戦いを横目で楽しみながら、富士宮焼きそばをコッペパン(コペンだけに)で挟んだ焼きそばパンに舌鼓。コッペパンのほんのりとした甘さとソースの塩気がベストマッチでした。
コペンのラリーカーで「ガチアタック」を体験!
和やかな雰囲気のイベント広場とはうってかわって、マルチパーパスドライビングコースでは「DAIHATSU GAZOO Racing」同乗走行が行われました。

ダイハツはここ数年、SPKとタッグを組んで「D-SPORT Racing Team」としてラリージャパン(世界ラリー選手権)や全日本ラリー、ラリチャレことTOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジといった大会に参戦し、モータースポーツを起点とした“もっといいクルマづくり”と、モータースポーツの裾野を広げる活動を行っていますが、今回は全日本ラリー車両(赤のMT車)と、ラリチャレ車両(黄色のCVT車)の2台が用意されるというぜいたくなもの。
しかも、ドライバーはDAIHATSU GAZOO Racing(DGR)で現役ドライバーを務める殿村裕一氏と相原泰祐氏。抽選で当たった参加者を助手席に乗せ、フル加速からのフルブレーキング、盛大に縁石に乗り上げるほどコーナーを攻めるなど、手加減のない走りで参加者を楽しませます。
オーナーだからこそ分かるコペンの高い走りのポテンシャルに驚き
相原氏は「全日本号は、今回普段のレースと何も変えずに持ってきています。13万km走ったコペンをベースに、市販されているパーツだけを組み合わせて作った車両なので、実際に同じクルマを(オーナーさんも)作ることができるんですよ」と教えてくれました。
走行を見にきた参加者も、普段見ないアグレッシブなコペンの走りに驚いた様子。
「洗車してちょっとしか乗らない方や、ドライブしかしないオーナーが『コペンってこんな走るの!?』と喜んでいただけてうれしいですね。コペンの魅力を改めて理解いただける、そんなイベントになってると思います」(相原氏)

さらに相原氏は、「コーナリングが楽しいのがコペンのDNA」と話しながら次のように続けます。
「このイベントが富士スピードウェイで開催されなかったら、一生サーキットに来ることがなかった方も結構いらっしゃるようです。ここ(マルチパーパスドライビングコース)はメイン会場から離れているのに、全日本ラリーぐらい(コース脇で)観戦される方が多くて、笑顔がとてもキラキラしてるのが印象的でした。『クルマって楽しいな、コペンって楽しいな』というのを伝えられたと思います」(相原氏)
参加者は普段から愛車としてコペンを楽しんでいるオーナーだからこそ、その高いポテンシャルに驚いたのでしょう。
会場ではそのほかにも、大阪の「コペンファクトリー」で働く現役スタッフによるドレスフォーメーションの実演や、歴代モデルが一堂に会したメモリアルコーナーも。しかも、コーナーの一角には、「ジャパンモビリティショー2025」で展示された次期コペンのスタディモデル「K-OPENランニングプロト(1号機)」の姿もありました。
プロトタイプの「FRのコペン」に、なんと社長も乗った!
冒頭にお伝えした通り、2026年8月での生産終了がアナウンスされているコペンですが、井上社長はイベントの前日にこのランニングプロトをドライブしたそうです。
「私自身、昨日テストドライブを行いました。非常にポテンシャルが高く、素晴らしいクルマに仕上がると確信しています」(井上社長)
次期コペンの登場に期待が高まるばかりですが、井上社長は開発の難しさを次のように吐露します。

「安全規制やサイバーセキュリティーの対応など、量産して実際に公道を走らせるためには、今のサイズと今の規格では収まらなくなってしまうので、サイズを大きくしなければいけません。しかし、大きくしたらコペンではないので、小さく収めようとすると体が入らないぐらいのサイズになってしまいます。また、実際に皆さんが買ってもらえる価格にするというのも課題で、これをどう解決するか、エンジニアたちが悩んでるところです」(井上社長)
しかし、井上社長は次のように続けます。
「悩んではいるんですけど、(エンジニアたちは)ゲラゲラ笑いながらやってるような雰囲気で、全然下を向いてないんですよね。このような雰囲気で作り手側が楽しんでいるからこそ、愛着が湧いて手放せない1台が生まれると思っています」(井上社長)
会場では、ダイハツの役員やエンジニアも多数参加しており、井上社長は参加者に「皆さんのコペンへの思いを語り合っていただいて、その思いをわれわれにも伝えてください。そうすれば、難しい開発のモチベーションになります」と呼びかけている姿が印象的でした。
今回のイベントの企画・運営を担当している福田昭夫 営業CS本部長も「コペンは、ダイハツにとっても軽自動車にとっても、大きなインパクトを与えたクルマだと思っています。少し先になるとは思いますが、同じ思いを開発のメンバーもしっかり持ってくれているので、新たなコペンの登場をオーナーの皆さまと一緒に待つ、そのための起点づくりが今回のイベントです」と、その思いを語りました。
ダイハツにとってのコペンの存在意義とは?
実用性の高いモデルが多い軽自動車の中で、オープン2シーターのコペンは異色の存在とも言えます。電動化や知能化が進み、高い安全性や環境性能が求められる現代において、コペンのように多くの販売台数を望めないモデルを取り巻く環境は、ますます厳しさを増しています。
そんな状況のなか、井上社長はコペンの存在意義について次のように話します。

「コペンはただ販売台数や利益を追求するためだけのクルマではなく、乗って楽しく、お客さまに愛着を持っていただけるクルマとして開発されました。今日これだけ多くの方にお集まりいただき、皆さまの笑顔や愛車へのこだわりを直接拝見して、ダイハツにとってコペンがどれほど重要で象徴的な存在であるかを改めて実感しました。(コペンは)お客さまとメーカーをつなぐ『大切な絆』であり、私たちのクルマづくりの原点です」(井上社長)
福田氏も「2002年の発売当時、私は販売現場におりましたが、あの時の現場の熱気やお客さまの期待感は今でも鮮明に覚えています。コペンとこの24年間、お客さまと販売店、そしてわれわれメーカーをつないでくれた特別なクルマです。生産はいったん終了しますが、この絆を途絶えさせることなく、次の新しいコペンへとしっかりつないでいきたいと強く思っております」と決意を語ってくれました。
イベントの最後には、ホームストレート上でルーフを開けたコペンにオーナーが乗り込み、音楽に合わせてライトやハザードランプを点灯させる全員参加型企画「みんなで星を灯(とも)そう」が行われました。
かなりの台数が集まっているにもかかわらず、オーナー同士の息はピッタリ。コペンとの絆が作り出した天の川のような美しい光景に、思わず目頭が熱くなります。
そして最後のフィナーレ花火でイベントは終了。暗がりの中、花火に照らされたオーナーたちの顔は一様に笑顔に包まれていました。
人々の生活を支えることが軽自動車の本質であるならば、コペンは人生に彩りを与えてくれる必要不可欠な存在として、軽自動車の本質を最もピュアに体現しているのかもしれません。
これまで累計11万台が販売されてきたコペン。いったんは生産を終了しますが、その強い絆が続く限り、将来きっとまた戻ってきてくれるのは間違いないでしょう。

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