2026.05.09
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デビュー6年! トヨタ「ヤリス」がさらなる一部改良! 機能進化の陰で実は「走り」も確実に“深化”!? 実際に試した印象とは

密かにおこなわれた「走りの改良」は公式アナウンスされていない謎

 早いもので、2020年2月に登場したトヨタのコンパクトカー「ヤリス」も、デビュー6年が経過しました。

【画像】これがデビュー6年で「一部改良」されたトヨタの新たな「ヤリス」の姿です! 画像で見る(30枚以上)

 今までのトヨタであれば、そろそろ次期モデルが登場してもおかしくないタイミングですが、2026年3月2日に2回目の改良が行なわれました。何がどう変わったのでしょうか。

 エクステリアの変化は、新色「マスタード」の追加(Z)とブラック加飾のドアミラー、シャークフィンアンテナの採用が挙げられます。

 その一方で「コーラルクリスタルシャイン」と2トーンカラーが廃止されたほか、さらに超細かい話ですが、「競技のシーンで有利になるように」とオプション設定されていた195/50R16タイヤも設定から落ちています。

 フロントマスクに大きく手が入った「アクア」の一部改良(2025年9月実施)と比べると小規模ですが、現状のデザインの評価が高いことから、「あえて変える必要がなかった」のかなと推察されます。

 インテリアは、装備関連の変更が主です。

 具体的には、電動パーキングブレーキとブレーキホールド機能(HEV:ハイブリッド車)、10.5インチ(Z)/8インチ(G)ディスプレイオーディオ、フロント席アームレスト(HEVのZ/G)、スマートエントリーシステム(全車標準)、ターンチルトシート設定のグレード変更などが行なわれていますが、その一方でデジタルキー、アドバンスドパーク、コンフォートシートセットが廃止されています。

走りの改良についての公式アナウンスはなかったが……
走りの改良についての公式アナウンスはなかったが……

 電動パーキングブレーキは、欧州向けには当初から採用されていたものの、日本仕様にはなかなか採用されなかったアイテムのひとつでした。

 今回の追加により、全車速追従機能付の「レーダークルーズコントロール(アダプティブクルーズコントロール)」には、停止保持機能が追加されています。

 一般ユーザーには嬉しい変更ですが、ラリーなどのモータースポーツで使うユーザーにとっては、サイドターンができなくなってしまうのが悩ましいところかもしれません。

 ちなみに10.5インチディスプレイは視認性・操作性がアップされているも、実際に運転席に座ってみると、インパネデザインとのバランスなのか曲がって装着されているように見えてしまうのが少々残念なところです。

 走りの部分については、トヨタの公式ウェブサイト上に掲載される「お知らせ」を見るとノーアナウンスです。

 しかし実際はどうなのでしょうか。

 今回筆者(自動車研究家 山本シンヤ)は一部改良を実施したHEVのZグレード(FF)で、東京都内の一般道と首都高速で試乗をしましたが、なるほど着実に“深化”をしていたことを実感できました。

商品力の高さはデビュー6年が経過した今も健在!

 一部改良版の新しいヤリスで走り始めると、EVモードが今までよりも粘り強くなっているのと、常用域でエンジンが始動しても“主張”が少なめ、つまり静粛性が上がっていることが確認できます。

 この辺りをトヨタの広報部に聞くと、「エンジンアンダーカバー/トンネルインシュレーターを吸音する材質に変更している」との事でした。

「中長期的にいいモノを長く使う」が実践された新しい「ヤリス」
「中長期的にいいモノを長く使う」が実践された新しい「ヤリス」

 EVモードの方は明確な答えをもらうことができせんでしたが、制御関係がアップデートされているのでしょう。

 ちなみに一般道から首都高を何も気にせずサラッと走って、メーター上の平均燃費表示が35km/L前後と出たのは、驚きしかありません。

 フットワークも従来モデルと違いました。

 これまでヤリスは軽快でスポーティ、アクアは穏やかでコンフォート、と役割が分かれていましたが、新型はヤリスの軽快さはそのままに、落ち着きが増しています。

 直進時の落ち着きの高さは、2024年の改良で追加されたPDA(プロアクティブドライビングアシスト)の機能のひとつ「車線内走行時操舵支援」の効果が大きいです。

 しかし今回の新型はそれに加えて、雑味が少ないステアリング系と、よりしなやかさを増したサスペンションにより、コーナリングの一連の流れがより滑らか/よりスムーズになっているのです。

 乗り心地も従来モデルよりも入力/振動が「薄皮2~3枚」でフィルタリングされたように抑えられて乗員に伝わる感じで、結果として走りの質感アップに繋がっています。

 これは「筆者(山本シンヤ)の気のせい」なのでしょうか。それとも「生産精度の向上」なのでしょうか。

 その辺りを、2026年4月下旬に行なわれた「GRヤリス/GRカローラ」の試乗会にいた凄腕技能養成部・大阪晃弘氏(ヤリスの評価も担当している)に聞くと、「生産サイドの都合もあり、車体もサスペンションもやり直しています」と教えてくれました。

 つまりGRヤリスのようなスポーツモデルだけでなく、ヤリスも“もっといいクルマ”にするために開発の手を止めていないのです。

「クルマは乗らないと解らない」と思う一方で、改良時はフルモデルチェンジの時と違ってエンジニアとの“懇談”の場が極めて少ないので、こうした細かい情報はもっとメディアに対しても積極的にトスしてほしいところです。

 特に最近のトヨタ車の改良情報は、プレスリリースで発信されず、公式ウェブサイトの“お知らせ”のみで済まされ、しかも次のお知らせとともにアーカイブもされず、いつの間にか消えてしまいます。

 そのため、とくに動きの早い最近のトヨタ車について、全貌がつかみにくい傾向にあります。

 しかし、常に改善の手を止めないエンジニアの思いやこだわりを世にシッカリ伝えるためにも、そこは“カイゼン”すべきところだと筆者は強く願っています。

※ ※ ※

 総じて言うと、デビューから6年経過するも、ヤリスの「商品力の高さ」は健在でした。

 もちろん、ライバルと比べると後席の居住性は割り切られていますが、そこは同社のコンパクトモデルシリーズであるアクアや「ヤリスクロス」がカバーする“群戦略”が効いています。

 過去に一部メディアから「トヨタはフルモデルチェンジサイクルを平均7年から9年に延ばす」と言った報道が出ました。

 真偽のほどは不明ですが、いずれにしても今回のヤリス一部改良は、TNGA(Toyota New Global Architecture)の基本的な考えである「中長期的にいいモノを長く使う」を活かした「商品力の維持」が活きている証拠だと、筆者は評価しています。

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