“昭和・平成”の定番だった「サンルーフ」なぜ減った? かつての「憧れ装備」が“絶滅危惧種”に? 新車オプションから「サンルーフ」が消えていく“納得の理由”とは
“昭和・平成”の定番だった「サンルーフ」なぜ減った?
かつて、昭和から平成初期にかけてのクルマ好きにとって、「サンルーフ」は高級感やスポーティさを象徴する憧れの装備でした。
【画像】「開放感すげえぇぇ!!」 開閉式サンルーフに代わる「最新ガラスルーフ」がすごい!(18枚)
新車を購入する際、少し無理をしてでもメーカーオプションで装着したという経験を持つベテランドライバーも多いのではないでしょうか。
しかし近年、新型車のカタログや公式サイトをチェックすると、“開閉式”のサンルーフを設定している車種は目に見えて減っています。
なぜ、かつての人気オプションは姿を消しつつあるのでしょうか。
もっとも大きな要因として挙げられるのが、「軽量化」と「燃費性能」へのシビアな要求です。
サンルーフを装着するには、ガラスパネルだけでなく、それを動かすためのモーターやレールなどの駆動ユニットをルーフ部分に組み込む必要があります。
この駆動ユニットはなかなか重く、車両重量が20キロから30キロ近く増加してしまいます。
現代のクルマは、環境規制の強化に伴って少しでも燃費(EVであれば電費)を稼ぐためにグラム単位の軽量化が求められています。
また、クルマの一番高い位置である屋根が重くなることは、重心が高くなり走行安定性にも悪影響を及ぼします。
さらに、屋根に大きな穴を開ける構造上、ボディ剛性を維持するための補強材も追加しなければならず、設計上の負担が大きくなるのが実情です。
![日本車ではじめて「電動サンルーフ」を装着したホンダ「プレリュード」[初代・1978年]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2022/09/20220914_honda_prelude_000.jpg?v=1663203838)
二つ目の理由は、日本の「気候の変化」です。
近年の夏場の猛暑は異常とも言えるレベルに達しており、サンルーフを開けて直射日光が車内に差し込むと、車内温度を急激に上昇させます。
ネット上やSNSでも「昔は憧れて付けたけど夏は頭の上から熱気が伝わってきた」「紫外線が気になるので結局サンルーフは閉めっぱなしにしている」といった声が多く聞かれます。
また日焼けを嫌うユーザーが増えたこともあり、「わざわざ高いお金を出してまで暑くなる装備を付けたくない」というのが現代のドライバーのリアルな本音のようです。
その一方で「屋根から光を取り入れる」コンセプトが消滅していない?
三つ目に、「喫煙者の減少」もサンルーフの需要低下に拍車をかけています。
かつては、車内でタバコを吸う際の換気扇代わりとして、サンルーフを少しだけ持ち上げる「チルトアップ」機能が重宝されていました。
しかし、愛煙家が減少し、禁煙のクルマが当たり前となった今、その換気機能としての役割も薄れてしまいました。
くわえて、サンルーフのユニットをルーフ裏に収納する関係上、どうしても車内の天井高(ヘッドクリアランス)が数センチ低くなってしまい、室内の圧迫感につながる点も敬遠される理由のひとつです。

こうした背景についても、ドライバーからはさまざまな反響が寄せられています。
「昔はサンルーフが付いていると下取り価格が高くなるから、という理由だけでディーラーに勧められて付けていた」と当時を懐かしむ声がある一方で、「長年乗っていると雨漏りやモーターの故障リスクがあって修理代が怖い…」と実用面でのマイナスを指摘する意見も少なくありません。
ただし、「屋根から光を取り入れる」というコンセプト自体が完全に消滅したわけではありません。
最近では、開閉機構を持たない固定式の「パノラマルーフ(ガラスルーフ)」を採用する車種が増えています。
開閉ユニットを持たないため重量増を抑えられ、天井のスペースも犠牲になりません。
さらに、最新の調光ガラスや高性能な遮熱ガラスを採用することで、日光による暑さや紫外線の問題もクリアしています。
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「風を感じる」ための開閉式サンルーフから、「明るく開放的な空間を演出する」ためのパノラマルーフへ。
サンルーフの減少は、クルマに求められる価値観が「憧れ」から「快適性と実用性」へとシフトした結果と言えるのかもしれません。

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