2026.04.06
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あれ、もうすぐ? いつ「新東名」全線開通? 「1日も早い開通目指す」 最後の未開通区間はドコ? 28年度以降となる見通し、現状は?

新東名の全線開通は2028年度以降へ。最後の未開通区間を阻む高松トンネルの現状

 神奈川県と静岡県を結ぶ新東名高速道路の全線開通時期が、令和9年度(2027年度)から令和10年度(2028年度)以降へ見直されています。

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 2025年11月に開催された連絡調整会議で公表されたもので、唯一の未開通区間である「新秦野IC-新御殿場IC」にある高松トンネルにおける難工事が主な要因です。

 最新の工事状況と延期の背景、今後の見通しについて解説します。

 東京から愛知に至る日本の大動脈として整備が進められている新東名高速道路(新東名)は、大半の区間がすでに供用を開始しています。

 しかし、神奈川県内の新秦野ICから静岡県内の新御殿場ICまでの約25kmは、現在も未開通のまま建設工事が続いています。

 この区間の開通時期について、当初予定されていた令和9年度(2027年度)から、少なくとも令和10年度(2028年度)以降へと見直されることが明かされています。

■大動脈を担う新東名の現状

 新東名高速道路は、並行する東名高速道路とのダブルネットワークを形成する路線です。

 交通混雑の緩和や高速性・定時性の確保、大規模災害時における緊急輸送など、多様な役割を担う重要な道路構造物として位置づけられています。

 神奈川県内の海老名南JCTから新秦野IC間、および静岡県内の新御殿場ICから御殿場JCT間については、2022年4月までに順次開通を完了しています。

 現在事業が進められているのは、新秦野ICから新御殿場IC間にあたる延長約25kmの区間です。

 この区間は山北町や松田町域などの急峻かつ狭隘な山岳地形を通過するため、全体の約2割が橋梁、約5割がトンネルと、構造物比率の高い線形となっています。

 各構造物の工事は着実に進められており、2025年11月時点での工事進捗率は、本線橋梁が完成延長ベースで71パーセント(24橋/31橋)、本線トンネルが84パーセント(12本/14本)、本線土工が49パーセントに達しています。

 個別の工事箇所においても作業が進捗しています。

 松田町域の中津川橋では主塔の構築及び桁の張出し架設が実施されており 、山北町域の尺里川橋でも同様に桁の張出し架設が行われています。

 河内川橋では、両側から張出したアーチ部をつなぐ閉合作業を各箇所で進め、桁の架設と連結作業が連続的に実施されています。

 山北スマートIC付近ではトンネルや切土区間から発生した土を用いた盛土工事が進行し 、小山PA付近では周辺道路の整備と合わせた切土工事が行われるなど 、全線にわたって道路本体工事が進められています。

 本体構造物が完成した新秦野ICの西側や新御殿場ICの東側などでは、順次舗装工事も開始されています。

■立ちはだかる高松トンネル

新東名高速の最新の工事状況は? いつ開通するの?(画像はイメージ/PhotoAC)
新東名高速の最新の工事状況は? いつ開通するの?(画像はイメージ/PhotoAC)

 順調に工事が進む区間がある一方で、全線開通に向けた最大の課題となっているのが高松トンネルの掘削工事です。

 同トンネルは2025年10月末時点で未掘進区間が残り約700mとなっていますが、脆弱な地山の出現や想定を上回る湧水発生といった自然的要因により、掘削作業が難航しています。

  地質的な要因として、高松トンネルの地山には緑色凝灰岩が点在していることが挙げられます。

 この岩石は地山の状態では安定していますが、掘削後に水に触れると浸水崩壊・膨張する性質を持っています。

 その結果、トンネル内空断面に変形が生じる事態となっています 。 水に関する課題も発生。

 2024年9月には、ロックボルトの水抜き孔から毎分約2.5トンと推定される突発湧水が発生しました。

 過去の2022年9月にも切羽の鏡吹付け施工中に湧水が増加し、天端付近の小崩落に続いて推定450平方メートルの切羽崩落が発生した事例も。

 このようなトンネル切羽の崩落や大量の湧水を受け、有識者にも相談の上、安全かつ慎重な工事が進められています。

■調査結果と開通時期の延期

 2025年11月4日に開催された「E1A新東名高速道路(海老名南JCT~御殿場JCT)連絡調整会議(第7回)」において、高松トンネルのボーリング調査結果と開通時期の見直しが報告されました。

 掘進が進行したことで、未掘進区間のほぼ全域に対して坑内から超長尺ボーリング調査を実施することが可能となりました。

 東坑口側および西坑口側の切羽から追加で実施した調査の結果、未掘進区間全体にわたって不連続な地層が継続していることを確認。

 亀裂が発達し風化した脆弱な地山が広範囲に及び 、複数地点から毎分0.1トンを超えるような大量湧水も観測されています。

 この結果から、今後の掘削においても断層破砕帯が断続的に存在すると推定されています。

 これらを踏まえ、高松トンネルは2025年秋時点で、今後の掘削が月進50m程度で進んだとしても、貫通までに少なくともあと1年以上を要すると試算されました。

 さらに貫通後には、仮設の湧水処理設備の機能を維持しながらの撤去や、トンネル覆工、舗装工事、設備工事などの仕上げ作業が必要となります。

 そのため、新秦野ICから新御殿場IC間の開通時期については、予定していた2027年度(令和9年度)から少なくとも1年以上遅延する見込みとなりました。

 これにより、開通予定は令和10年度(2028年度)以降へと見直される形です。

 今後の具体的な開通時期については、工程精査を進め、高松トンネル完成の見通しが立った段階で改めて公表されます。

■安全最優先で進む建設工事

様々な課題をすこしづつクリアしていく新東名の工事(画像:NEXCO中日本)
様々な課題をすこしづつクリアしていく新東名の工事(画像:NEXCO中日本)

 工事が難航する高松トンネルでは、施工時に得られたデータを基に、脆弱な地山や断層破砕帯に対する対策工が選定されています。

 これらの対策工は有識者に妥当性を確認した上で実施され、脆弱地山対策としては、地山安定のために掘削断面上部に鋼管を建て込み薬液を注入する「長尺鋼管フォアパイリング」が打設されています。

 湧水箇所や亀裂間には「ウレタン系注入材」を注入し、止水効果や地盤の安定化を図っています。

 また、掘削面崩壊防止と地山の緩み抑制のために掘削面にコンクリートを吹き付ける「鏡吹付コンクリート」を実施し 、早期に断面を閉合してトンネルの変形抑制と構造の安定性を確保する「インバートストラット」も併用。湧水処理のための設備も増設され、対応にあたっています。

※ ※ ※

2027年秋の連絡調整会議における意見交換では、周辺自治体から事業の着実な推進を求める声が上がりました。

 2027年度の開通に向けて周辺道路の整備や工業団地の誘致など周辺のまちづくりに着手している地域もあり、小山スマートICから新御殿場IC間の早期供用を要望する意見も出されています。

 同時に、技術的な難易度が高く厳しい条件下での施工であることに理解を示しつつ、安全を最優先に一日でも早い開通を目指すことや、沿線地域へのより丁寧な説明および情報提供を求める意見が寄せられています。

 事業者である中日本高速道路は、引き続き安全を最優先に工事の進捗を図りながら工程短縮に努め、1日も早い開通を目指すとしています。

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