ホンダ「EV3車種」の開発中止 需要低迷や競争激化など要因… 車種拡充&HV強化へ 役員報酬の減額も
北米向けEVの開発中止
ホンダは2026年3月12日、ホンダは当初北米での生産を見込んでいた3つのEVモデルについて、開発と発売を中止する決定を下しました。
【画像】超カッコいい! 開発中止のスーパーカーです。 画像で見る(30枚以上)
対象となるのは「Honda 0 SUV」「Honda 0 Saloon」「Acura RSX」です。
同社は2050年を見据えたカーボンニュートラル目標を掲げ、EVを中心とした事業展開を進めていました。
しかし、現在の事業環境において計画通りに生産や販売を進めた場合、将来的な損失がさらに拡大する懸念があることから、今回の判断に至ったと説明されています。

今回の戦略見直しの背景には、自動車市場を取り巻く状況の変化があります。
米国では、化石燃料に関する規制が緩和されたことや、EVに対する補助金制度が変更された影響で、EV市場の拡大ペースが当初の想定よりも鈍化しています。
一方、中国やアジア地域においては、車両のハードウェアよりも、ソフトウェアによって機能が進化するSDV(ソフトウェアデファインドビークル)が重視される傾向にあります。
新興のEVメーカーがこの分野で急速に台頭して競争が激しくなる中、ホンダは価格に見合った商品を提供できず、競争力が低下する結果となりました。
また、米国の関税政策の変更による内燃機関(ICE)車やハイブリッド車の収益悪化も、四輪事業全体の業績に影響を与えています。
開発中止や市場環境の変化に伴い、ホンダの財務には影響が生じます。
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・生産に使用する予定だった資産の除却損失や減損損失が計上される見通しです。
・中国市場における投資に対する減損損失も発生する見込みです。
・2026年3月期の連結業績では、営業費用として8200億円から1兆1200億円が計上される見込みです。
・来期以降も追加の費用が発生する可能性があり、損失の最大試算額は2兆5000億円とされています。
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なお、株主への配当予想については、還元指標であるDOE(株主資本配当率)に基づき変更されない方針です。
また、今回の業績修正を受け、代表執行役社長などの一部役員において、報酬の自主返上や短期インセンティブの不支給が実施されます。
■HV強化と今後の戦略

今後の四輪事業について、ホンダは事業環境の変化に合わせた戦略の再構築を進めています。
米国市場でのEV普及の遅れを考慮し、今後はハイブリッド車(HV)への資源配分を増やし、強化を図る方針です。
また、日本や米国といった主要市場にとどまらず、成長が見込まれるインド市場でのモデル拡充やコスト削減を進め、アジア各国でも次世代ハイブリッド車の投入を行うとしています。
EVの展開については、市場の需要や収益性を確認しながら、長期的な視点で柔軟に対応する構えです。
中長期的な四輪事業の戦略に関する詳細は、5月に予定されている会見で発表されます。
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3月12日のオンライン会見にて登壇した三部敏宏社長は、下記のように語りました。
「2050年カーボンニュートラルの実現に向け、電動化は避けて通れないテーマであり、その中で私たちはゼロシリーズの開発を通じて、これからの時代にホンダが提供したい価値は何かという点を追求し続けてきました。
しかしながら、事業環境の変化に伴いあらゆる手立てを取りましたが収益性は非常に厳しい状況であり、このまま生産販売フェーズに移行すると将来にわたってさらなる損失拡大を招くという状況にあります。
多くの従業員をはじめ、お取引先さま、販売現場の皆さまが、情熱を注いでくださったこと、またお客さまから寄せられていた多くの期待も十分に承知しています。
だからこそこの判断は決して容易なものではありませんでしたが、この3モデルを事業成立困難な状況のまま世に送り出すことは、ブランド価値の毀損などの面で、お客様に心配やご迷惑をおかけする可能性があり、会社の将来にとっても最善ではないと、断腸の思いで決断を下しました。
今回の判断については非常に重く受け止めており、影響を受ける取引先の皆様については、1社1社丁寧に対応をさせていただく考えです。
このような大きな額の損失を計上することになりましたが、今、私たちに求められていることは、過去を取り繕うことではなく、この現実を正面から受け止め、より事業を中長期的に成長できる構造へと転換することだと考えています」
なお、小型電動SUVの「ホンダ 0 α(ゼロ アルファ)」については、日本とインドをメイン市場としており一定の事業性が見込めることから、計画通り開発を進め、2027年の市場と投入を目指すとしています。

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