2026.02.27
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乗客が怪我!路線バスで暴走事故発覚! 中国製EVバスでトラブル多発か 「EVバスの墓場」で話題のEVMJとは【独占取材】

【独自】人身事故が起きていた!EVモーターズ・ジャパンの中国製EVバス 路線バスでブレーキ効かず暴走。座席から投げ出された乗客が骨折で重傷

 北九州市に本社を持つ商用EVの輸入販売会社「EVモーターズ・ジャパン」(以下EVMJ)は2026年2月20日金曜日に引責辞任による社長交代を公式サイトにて発表しました。

【画像】衝撃! これが「バスの墓場」です。画像で見る!(30枚以上)

 2月28日付で佐藤裕之社長から角英信副社長に交代し、佐藤氏は技術顧問として残留するとのこと。

 また、同時に全国各地で発生しているEVバスの不具合や総点検における重点是正項目の対処、安全上の確認とバス会社への説明を最優先に取り組むとともに、再発防止策の策定等を進めている中間報告も行われました。

 2019年4月に設立された同社は設立からわずか2年、まだ1台もバス会社への納車実績がない2021年頃に大阪万博輸送用EVバスを一社独占150台の採用が内定していました。

 2021年-2022年頃は国内生産を行うとして北九州市若松区に組み立て工場やテストコース、本社社屋などを含めた「ゼロ・エミッションパーク」を100億円の予算で建設をスタート。

 予定では2023年内に国内生産を開始し、年間1600台を生産すると公表していましたが実際はかなり遅れて2025年春に本社と組立工場が完成しました。

 しかし、2026年になっても工場では1台たりともEVバスの組立は行われていません。

 中国3社(ウィズダム、恒天、愛中和)のEVバスをほぼそのまま並行輸入で日本に持ち込み、1台ずつ新規検査を受けてナンバーがついています。

 同社のEVバスは実質2年間で300台以上をバス会社や自治体に納車していますが、補助金申請に間に合うことが最優先だったのでバスの品質や安全性の確認が十分に行われておらず、6-7割程度の仕上がりで日本に輸入されています。

 中国メーカーからは「かなり安い予算で作れという指示に加えて未完成部分が多すぎる。テストも十分に行われていないから客(バス会社)に納めるのはやめてほしい」との要望も出ていましたが、EVMJはそれを無視するかたちで納車を進めてきたようです。

 それゆえに、多くに欠陥や不具合が報告されています。

 ブレーキホースやインバータの異常、ブレーキチャンバーやモーターフランジの脱落など、重大事故にもつながる不具合も多数報告されています。

大阪万博にも採用されたEVMJのEVバス、様々なトラブルが発覚している
大阪万博にも採用されたEVMJのEVバス、様々なトラブルが発覚している

 そこで、2025年9月3日、国交省はEVMJがこれまで納車してきたすべてのバス約320台に対して「総点検」を命じました。

 その結果は10月17日の国交大臣会見の中で公表され、320台中113台(1台に複数個所の不具合がある場合も)のバスに不具合があったことが明らかになりました。

 また最近では、これらのEVバスが大量に保管されている場所が大阪にあることが判明し、通称「EVバスの墓場」と呼ばれ話題となっています。

まさか関東地方の路線バスで…ブレーキ効かず暴走事故発生!? 事故の衝撃で骨折し長期入院も

 筆者(加藤久美子)のもとには毎日のように、EVMJの社員や元社員、バス会社の関係者、EVMJの近所に住む人やバスの乗客にいたるまで様々な情報提供や内部告発が届きます。

 このような中、先日、EVMJ関係者から届いた内容は非常に衝撃的でした。

 関東地方で運行されている路線バス(ウィズダム製小型EVバス)で人身事故が起きていたことを告げる内容でした。

 事故発生は2025年夏のことでフットブレーキが効かなくなり、前方車両に衝突する直前でやっと急停車。

 その衝撃で最後部の真ん中に座っていた乗客が座席から投げ出され、腕と脚を骨折して入院する事態になったのです。

 これまで多数の不具合について公益通報に相当する情報提供を受けてきましたが、実際に人身事故、それもかなりの重傷事故が起きていたことは筆者も初めて知りました。

 しかし、取材を進めていくうちに、全国のバス会社で同様の症状が出ていることが判明しています。

 ウィズダム製小型6.99mだけではなくウィズダム製中型8.8mやウィズダム製大型10.5mでも「回生ブレーキをオフにして走行するとフットブレーキが効かなくなり、ブレーキを踏めば踏むほど加速が増してペダルではコントロールできなくなる」という状況になるとのこと。

 合計10社のバス会社に確認したところ、フットブレーキが効かなくなる共通の条件が「回生ブレーキをオフにして走行していた」ことだとわかりました。

 回生ブレーキとは、電気自動車特有の制動システムでエンジン車でいうところのエンジンブレーキに似た機能です。

 EVMJバスの不具合の中には回生ブレーキに関する報告も非常に多いのですが「フットブレーキ効かずに暴走」は回生ブレーキをオフにしているときに発生する頻度が高いようです。

 全国のバス会社に聞いた結果をまとめます。

ーーー
・回生ブレーキはoffにせず、SOC(充電量)93-4%以下で走行すること。充電量が高いと回生ブレーキが効かなくなる。(九州地方のバス会社)

・回生ブレーキoffでも問題なくフットブレーキが作動するバスもある。プログラムの更新ができていれば暴走は起こらない。(関東地方の自治体)

・EVMJではこのプログラムの更新作業はできない。中国メーカーにしかできないので数か月かかる。(複数のバス会社)

・ウィズダムは全車種で回生ブレーキ関係のトラブルある。ブレーキがおかしいと申告してもEVMJかららは『状況が再現できなかったら様子見』と言われて何も対策できてない。(関西地方のバス会社)

・EVMJからは「システム改修での対応が難しい。日本ではできない」と言われた。満充電しない解決方法で何とか乗り切っている。(EVMJバスを入れている九州地方の自治体)

・回生レバーを使用せずアクセルを強く踏み込んだ直後にブレーキペダルを踏み込んでもブレーキがきかず逆に加速する。対策のソフトウェアを入れて改善された。(関東地方のバス会社)

・当社ではそのような事象は起きていない。ソフトウエア対策済みだと思われる(四国地方のバス会社)
ーーー

大阪万博で使われていたEVMJが納入したEVバス(筆者撮影)
大阪万博で使われていたEVMJが納入したEVバス(筆者撮影)

この不具合は国交省にリコールが届けられたブレーキホースの欠陥よりもはるかに危険性が高いものです。

それにもかかわらず、暴走事故がおきたウィズダム製小型バスを含め特に対策を講じることなく、現在も運行しているバスがたくさんあると考えられます。

 輸入販売したEVMJは暴走トラブルを認知していながら、現在までリコールはもちろん、注意喚起や警告すら発していません。

 そればかりか骨折で長期入院という重大な事故であったにもかかわらずEVMJ社内での共有はなし。社内でも共有されていませんでした。

 なお、重傷者が出た暴走事故は、自動車事故報告規則 第2条第3号にて報告義務がある事故に相当します。

 関東運輸局に確認したところ、「どのような事故報告が出ているかは開示請求をしてください」とのこと。開示請求の結果が出たら、続報を予定しています。

 このようにEVMJが展開するEVバスには様々なトラブルが出ており、今後も注視していきます。

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