2026.02.26
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新車購入や軽油が「4月から安くなる」はずが… クルマ税金廃止に“黄信号”? 予算日程が壁か

どうなる新年度からの「クルマの税金」 短期決戦の衆議院解散後でも来年度予算の年度内成立は必須

「本当に大丈夫なのでしょうか」

【画像】「えぇ!」知らなかった! これが給油口の中身です! 画像を見る!(30枚以上)

 ユーザーにとって気になる「クルマの税金」は、当初の予定通りに話が進むのでしょうか。心配になっている人もいるでしょう。

 2026年度予算が今年度内に成立するかどうかは、クルマのユーザーの生活にも直結するからです。

 高市早苗首相は1月23日、通常国会の冒頭で衆議院を解散。

 これにより短期決戦となった第51回衆議院選挙が行われ、結果的に自民党が総定数465の3分の2を超える316議席を獲得するという歴史的な大勝となりました。

 一方で、突然の解散により2026年度予算案が年度内に成立するかどうか、日程的にかなりタイトな状況となっています。

 本稿執筆時点では、与野党が2月27日から2026年度予算案の実質審議入りすることで合意し、年度内成立について様々な可能性を探る構えです。

ユーザーに直接影響のあるクルマの税金、、、どうなる? 軽油の暫定税率廃止の行方は?
ユーザーに直接影響のあるクルマの税金、、、どうなる? 軽油の暫定税率廃止の行方は?

 さて、2026年度予算案でクルマに関わる案件は大きく2つあります。

 クルマを取得する際に徴収される環境性能割と、燃料油税の軽油引取税における暫定税率の廃止です。

 これらを含めた改正地方税法案について、政府は2月20日に閣議決定していますので、ユーザーとしてはこれら2点については年度内に必ず廃止するべきことだという気持ちが強いでしょう。

 では、改めてこれら2つの「クルマの税金」について見ておきましょう。

「クルマの税金」には、クルマそのものにかかる「車体課税」と、クルマを使う際に必要な燃料にかかる「燃料課税」があります。

 車体課税を詳しく見ると、自動車税(軽自動車の場合は、軽自動車税)と自動車重量税がかかります。

 自動車税は都道府県税で、「環境性能割」と「種別割」に分かれています。

 また、軽自動車税は市町村税で、同じく「環境性能割」と「種別割」があります。

 さらに、車体課税では国税の自動車重量税がかかります。

 このうち、「自動車税」と「軽自動車税」の「環境性能割」について、日本の自動車メーカーでつくる日本自動車工業会(自工会)や日本自動車連盟(JAF)などが「環境性能割は消費税との二重課税であり、廃止するべき」という立場をこれまで貫いてきました。

 そもそも、2019年9月末まで導入されていた「自動車取得税」が廃止になった代替として「環境性能割」という考え方が導入されています。

2025年度租税総収入の税目別内訳並びに自動車関係諸税の税収額(当初)(出典:自工会)
2025年度租税総収入の税目別内訳並びに自動車関係諸税の税収額(当初)(出典:自工会)

 そうした自動車業界やユーザーの声を代弁する団体からの要望を受けて、与党税制調査会は2025年12月末に取りまとめた「令和8年度税制改正の大綱」で環境性能割の廃止を盛り込んだのです。

 当初、2026年度から2年度を目処に、一時的に環境性能割を廃止する案が出たとの報道がありましたが、最終的には2026年度(2026年4月1日)から環境性能割の恒久的な廃止が事実上決まったといえる出来事でした。

 これを受けて、自動車販売店では2026年4月1日以降には、環境性能割の廃止によってユーザーの新車購入の負担総額が減ることを強くアピールし、売上上昇への期待を高めてきたところです。

 仮に予算案の成立が来年度にずれ込み、環境性能割の廃止が来年度に持ち越されることになれば、ユーザーの中には購入時期を後ろにずらそうと思う人が出てくるかもしれません。

 自動車販売店としては、「多分(年度内の廃止は)大丈夫ですよ」といった曖昧な説明ではなく、2026年度予算が成立するまでは、環境性能割の廃止時期が未定であることを購入希望者へ丁寧に説明する必要があるでしょう。

 次に、「軽油引取税」の暫定税率廃止についてです。

「軽油引取税」の暫定税率廃止はどうなるの?

 もうひとつは、「軽油引取税」の暫定税率廃止について。

 2024年から2025年にかけて、ネットやテレビのニュースで度々登場した暫定税率。

 そもそも、1970年代に道路財源として燃料課税に暫定的に適用された税金で、民主党政権で廃止されたものの「当分の間(とうぶんのかん)税率」という名目で、実質的に旧暫定税率として課税され続けたものです。

 また、燃料課税での暫定税率(旧暫定税率)はガソリン(揮発油税と地方揮発油税)と軽油(軽油引取税)のそれぞれに適用されてきましたが、一般的には「ガソリンの暫定税率」という表現で報道されることが多いと思います。

 自民党と当時与党だった公明党、そして国民民主党の幹事長会談でガソリン暫定税率廃止で2024年12月に基本合意しました。

 ところが、その後は話が前に進まず、野党6党が改めて8月1日に「ガソリン暫定税率廃止法案(正式名称:租税特別措置法及び東日本大震災の被害者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案)を衆議院に提出するに至りました。

 それが、参議院選挙を経て、同法案の原案と修正案が11月28日に参議院本会議で可決され成立しています。

 これにより、ガソリンの暫定税率は2025年12月31日で廃止済みですが、軽油については地方自治体における行政対応などを考慮して2026年4月1日の廃止としました。

ガソリン・軽油の暫定税率廃止に向けた補助金の段階的拡充について(2025年11月資源エネルギー庁燃料流通政策室の資料より)
ガソリン・軽油の暫定税率廃止に向けた補助金の段階的拡充について(2025年11月資源エネルギー庁燃料流通政策室の資料より)

 また、ガソリンと軽油それぞれの暫定税率分(ガソリン:25.1円、軽油:17.1円)に対して、国は石油元売りに対して2025年中に補助金を段階的に導入しています。

 そのため、ユーザーはすでにガソリンスタンドでのガソリン価格と軽油価格は一時期に比べると確実に下がったと感じていると思います。

 こうした中、仮に2026年度予算案が今年度内に成立しないと、軽油引取税の暫定税率分である17.1円分を前提とした軽油価格の上昇が起こる可能性があります。

 それに国はどう対応するのか。

 ディーゼル乗用車を使うユーザーはもとより、トラック、バス、船舶などディーゼル商用車を使う事業者にとっては物価高の中、軽油価格の再びの上昇は経営上の課題になり兼ねません。

 2026年度予算案の年度内成立は「クルマの税金」のためだけではなく、高市政権が掲げる「責任ある積極財政」を進め、安心で安定した国民生活を実現するために必要です。

 今後、与野党の協議が円滑に進むことを期待したいと思います。

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