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2026.02.27
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約350万円! 全長4m未満の新型「“ちいさな”SUV」まもなく登場! 13年ぶり全面刷新でカクカクな「旧車デザイン」に!“1.2リッター「ターボ」のフィアット「グランデパンダ」の実力を伊国で確かめた

フィアット復活のカギを握る一台になりそう

 意外と、かわいい系というより、小生意気っぽいデザインじゃないでしょうか。ストレートにかわいいより、むしろ真面目にやっているのに黄色い声をかけられて、面倒くさそうにしているところが、本物のパンダっぽいのでしょう。

【画像】超カッコいい! これがまもなく登場予定の新型「“ちいさな”SUV」です! 画像で見る(33枚)

 そこを理詰めで狙いながらも、初代ファンにも令和の視線でもエモーショナルな存在と映りますから、フィアット「グランデ パンダ(Grande Panda)」は相当に巧みなデザインでまとめられたといえるでしょう。

 今回、フィアットの地元にして北イタリアで20年前の冬季五輪開催都市、トリノを拠点に試乗したのは、EV(電気自動車)モデルの最上級グレードである「グランデ パンダ ラ・プリマ」と、マイルドハイブリッド(MHEV)モデルの「グランデ パンダ イコン」です。

 欧州発表値なので参考値ながら、全長はギリギリ4mに収まる3999mm、全幅は1763mmと、かなりコンパクト。でもルーフレール込みの全高はEVが1615mm、MHEVが1629mmと、かなり背は高いです。

 立体駐車場ユーザーには残念かもしれませんが、パンダといってもグランデでして、初代から数えて4世代目にあたり、13年ぶりのフルモデルチェンジを受けたこちらは、従来のAセグコンパクトというより、BセグのSUVクロスオーバーという立ち位置なのです。

 EVもMHEVも前輪駆動ですが、コンセプト段階とはいえ「グランデ パンダ4×4マニフェスト」という、おそらくは後車軸側がモーター駆動であろう4WDも登場する可能性大なので、いっそ車高が高いのならそちらにも期待したくなります。

まもなく日本で登場予定の新型「“ちいさな”SUV」
まもなく日本で登場予定の新型「“ちいさな”SUV」

 まずエクステリアから観察していきます。フロントグリルやヘッドライト周りは、ヒョンデやダチアなどでも見られるピクセルデザイン。流行りの真一文字LEDは確かに‘パンダ’のキャラではないですし、格子状のピクセルから内側に向かって徐々にスクエアが細くなっていく‘パラメトリック’状の処理は、ここ数世代のステランティス系ブランドが得意とするところでもあります。

 フェンダーもけっこう張り出していますが、丸みをもたせたというより、うっすらと折ったエッジラインで膨らませ、曲線よりはパキパキした直線的な処理。PANDAの5文字が、フロントドアに3文字、リアドアに2文字というほど、プレスで大書きされているのも大胆にして斬新なディティール。

 またリアウインドウの後端側、クォーターウィンドウに見せながら正方形プラスチックの加飾パネルが嵌め込まれているのですが、これが光の向きによってFIATまたは斜めライン・ロゴを浮き上がらせたり伏せたり、騙し絵ロゴになっているところがお洒落。

 ついでにいえば、前後フェンダーのてっぺんにも入れられた斜めラインの彫りが、1980年代のフィアットグリルからのリテイクと見え、オールドファンも歓喜のディティールです。

 この斜めラインの彫りはリアビューでも見られ、ウレタンバンパーの左側、つまり片側だけ使いがまたお洒落ポイント。リアハッチゲートのインサートにもPANDAの穴無し・輪郭ロゴが入っていて、全体にもう、すごいサービス旺盛なプラスチック使いといって間違いありません。同じ面でFIATロゴはプレスでキッチリと、こちらも左側寄せで、先述のPANDAロゴと斜めライン彫りのバランス感が素晴らしいです。

 装飾的な要素は前後バンパー下のスキッドプレートぐらい。カクカクしたデザインの車は近頃多いですが、イカつくないし、それが美といえるレベルにまで仕上がっている例は珍しいです。

遊び心満載の内装とパンダらしい走り

 内装もエンタメ要素が満載です。まず「ラ・プリマ」のダッシュボード&小物入れですが、バンブーを配合したプラスチックが採用されています。パンダにバンブー、を大真面目に組み合わせて来るところが記号的とはいえ、万人の微笑を誘うところです。

 また10.25インチのタッチスクリーンからメーターパネル周りを、楕円で囲いつつイエローのプラスチックでキリっと占めるアクセントは、センタコンソールつまり水平方向にもおよびます。

インテリアはフィアットの歴史的工場「リンゴット」屋上のオーバル型テストコースをモチーフとした、楕円形のダッシュボードを採用
インテリアはフィアットの歴史的工場「リンゴット」屋上のオーバル型テストコースをモチーフとした、楕円形のダッシュボードを採用

 ついでにホワイト&ブルーのツートンによるファブリックのシートにも、ステッチと同じ蛍光イエローで肩口に、「PANDA MADE WITH LOVE IN FIAT(フィアットにて愛を込めて造られたパンダ)」という、ねっとりとしたメッセージが記されています。

 実際に生産工場はセルビアなどですが、ラブリーな小さめフォントで控えめに主張してくるところが素敵です。

 一方のイコン内装は、ダッシュボードの加飾もシートにもアズーロの落ち着いたインテリア。プリマのワッフル状シートに比べるとフラットなグレーも用いたファブリックシートですが、PANDAの各レタリングが陽気に散りばめられ、やはり自己肯定感は強め。

 楕円のモチーフはプリマと共通で、一部が透けたイエロープラスチックも同じくですが、これはフィアットの旧社屋にして屋上にオーバルのテストトラックを備えたモダン建築の傑作「リンゴット」に由来するもの。1本スポークのステアリングといい、イタリアとフィアットとパンダの特別な歴史を、問わず語りに語りかけてくる意匠なのです。

 さて肝心の走りですが、EVは最高出力113ps・最大トルク122Nmに、1.2リッター直列3気筒ターボエンジン+48VシステムのMHEVは100ps・202Nmというスペックです。そうです、MEHVの方がトルクはあって、ピークパワーはEVが優るのですが、車両重量はEVが1554kgに対しMHEVは1327kg。

 0-100km/h加速ではEVが11.5秒で、MHEVは約10秒と、フル電気だけど爆発的なトルクは出させない、MHEVのモーターアシストは強めだけどエンジンのパフォーマンスはタイトめ。経済性重視というよりは、ソーバーだけどイタリアンという性格づけがうかがえます。

 ちなみにEVは44kWhバッテリーを積み、最大レンジは320kmといいます。最高速も欧州では発表されていて、EVが132km/h、MEHVが160km/hと聞けば、必要十分を狙ったスペックであると、納得です。

 じゃあ遅いのかな? となるでしょうが、まさかそんなワケがないのが、イタリアンなところ。まずMEHVですが、モーターアシストから加速して6速DCTへのバトンタッチもスムーズで、遮音も令和の欧州車として煩いほどではありません。

 EVはトルクの立ち上がりが速いとか強いとかいう前に、とにかくナチュラルにリニアに盛り上がるタイプ。いずれも、ストップ&ゴーの多い街中、もっといえばスッと急ぎ目に入りたいイタリアのランナバウトでも、モタつきを感じることはありませんでした。

 パワートレインの感触としては、いずれも踏んだ分だけ進む感じで、とにかく折り目正しく、じつは滅法クイックなステアリングによる元気なハンドリングを損なわないよう、うまくバランスしています。

 しいて言えばMHEVの方が軽い分、キビキビしているし、乗り心地の角も丸められています。でも両者に共通しているのは、スーパーフラットな乗り心地というより、段差を超えるとコロンと身体を優しく揺らすような、ほどよいアナログ感があることです。

 飛ばすよりは、のんびり走っていても楽しいクルマに仕上がっている点で、これはパンダの末裔だな、と。

 ちなみに欧州市場における価格設定は、48V MHEVモデルで1万8900ユーロからと、かなり戦略的な水準。これでも円安ジャパンでは現状、約350万円相当となります。

※ ※ ※

 日本市場での当面のライバルは、フォルクスワーゲン「Tクロス」やルノー「キャプチャー」、そしてシトロエン「C3」やプジョー「200
8」といったステランティス同門のモデルでしょうが、かわいらしくデザイン・コンシャス、しかもイタリア車らしい軽快感は損なわれていないので、高さが気にならない国産SUV乗りからもダウンサイザーが見込めるかもしれませんね。2026年度中の登場は、日本のファンにとって待ち遠しい知らせとなりそうです。

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