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2026.07.02
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ダンロップ新スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX ICE Pro(アイスプロ)」は何がスゴいのか? 「シンクロウェザー」との違いは? 雪国で試して分かった実力とは

「シンクロウェザー」があるからこそ尖れる、ダンロップの新作スタッドレス

 ダンロップのタイヤといえば、いまや次世代オールシーズンタイヤの「シンクロウェザー(SYNCHRO WEATHER)」の名を挙げる人が多いかもしれません。また一般的には大谷翔平選手のタイヤという印象を持つ人のほうが多いでしょう。

【画像】全99サイズを用意!これがダンロップ「新冬タイヤ」です。画像で見る!(21枚)

 そんなシンクロウェザーですが、実際に積雪地域で乗ってみても、従来のオールシーズンタイヤとは異なる次元で、問題なく走れるほどの実力を持っています。

 とはいえ、ツルツルの氷上(アイスバーン)などの極限性能は、やはり冬専用タイヤ(スタッドレスタイヤ)のほうが上というのも事実です。

ダンロップの新スタッドレスタイヤ「「WINTER MAXX ICE Pro」をひと足先に体験!
ダンロップの新スタッドレスタイヤ「「WINTER MAXX ICE Pro」をひと足先に体験!

 たまに積雪するくらいの地域(準降雪地域)ではオールシーズンタイヤのメリットが活きますが、毎年しっかりと雪が積もり、路面が凍結する地域であれば、それに適した冬タイヤに交換した方が望ましいのは言うまでもありません。

 今回シンクロウェザーを展開するダンロップは、自社のスタッドレスタイヤ「WINTER MAXX(ウインターマックス)」シリーズの最新作を投入しました。

 これまで「WINTER MAXX 03」が展開されていましたが、新たに2026年8月から投入するのが「WINTER MAXX ICE Pro(アイスプロ)」です。

 簡単に説明すると「03」よりも氷上性能に特化して、性能を大きく向上させたといいます。今回、冬の北海道で「03」と「ICE Pro」をそれぞれ乗り比べ、その違いや特徴を体感してきました。

新技術を続々投入!「ふんばり吸水ゴム」「うるおいポリマー」

 まず、今回の「WINTER MAXX」新シリーズの立ち位置について整理します。

 これまでの「03」までは、氷上性能、雪上性能、ライフ性能など、すべての性能を万遍なく向上させて「レーダーチャートの面積を広くする」考え方でした。しかし、今回の「ICE Pro」は開発思想が異なります。

「WINTER MAXX 03」(左)と「WINTER MAXX ICE Pro」(右)
「WINTER MAXX 03」(左)と「WINTER MAXX ICE Pro」(右)

 ダンロップの担当者は、「氷上と背反する性能をあえて少し犠牲にしてでも、氷上性能の向上に注力しました。過酷な冬の環境下でも、より安全・安心な日常を提供するために、氷上性能(ブレーキ・コーナリング)に振り切った商品です」と説明します。

 その核心となる技術が、新開発の「ふんばり吸水ゴム」です。

 氷の表面はミクロの視点で見ると細かな凹凸になっています。従来のやわらかいだけのゴムでは、凹凸に密着はするものの、ブレーキなどの力がかかるとゴムが負けて滑ってしまっていました。

 そこで「ICE Pro」では、新たに「低温ふんばり剤」を配合した「ふんばり吸水ゴム」を開発。これにより、ただやわらかいだけでなく、ゴム自体が「粘る」特性を持ちました。路面の凹凸に合わせてゴムが柔軟に変形して密着し、さらに密着した後もゴムが粘って踏ん張ることで、強力なグリップ力を生み出すのです。

「除水」「密着」に加え「持続」する3ステップとなり「ふんばり力」が向上
「除水」「密着」に加え「持続」する3ステップとなり「ふんばり力」が向上

 また、時間が経っても硬くなりにくい「うるおいポリマー」を配合することで、新品時のやわらかさが長く続く工夫も施されています。まさに「お肌の潤い」のように、タイヤの鮮度を保つ技術です。

 これらの新技術の導入により、従来品「WINTER MAXX 03」と比較して氷上ブレーキ性能は25%アップと大幅に向上。また氷上コーナリング性能も9%アップと、氷上路面において走る、止まる、曲がるの性能が大幅に向上したとのことです。

 では実際に、その向上幅はどのように体感できるのか、北海道のテストコースで実際に試乗をしてみました。

氷上で明確に感じる「素直な挙動」

 今回の雪上試乗会では、まずWINTER MAXXシリーズの従来品「03」と新製品「ICE Pro」をダンロップのテストコースで「氷上(加速・減速)」「氷上スラローム」「雪上(加速・減速・登坂・スラローム)」などを体験。

 最初に氷上で発進・減速をします。車両はゴルフ8、タイヤサイズは従来品、新製品ともに205/55R16です。

「03」の発進時ではタイヤが空転し、それを抑えようと車両側の制御(トラクションコントロール)がガツガツと介入しながら、なんとか動き出してきます。また減速時にはABS制御がガッガッと激しく効きながら停止します。

氷上性能は「03」から確実に進化している事が体感できた「ICE Pro」
氷上性能は「03」から確実に進化している事が体感できた「ICE Pro」

 対して「ICE Pro」では、走り出しでタイヤが滑り、車両側の制御が効くのは同じですが、こちらのほうが滑らかにより自然に制御が介入する印象です。「グッ、グッ」と路面を掴んでいる感覚が伝わってきます。

 減速時も同じようにABS制御は入るものの、発進同様に自然な制御介入により、制動距離も短く止まることができました。

 また「氷上スラローム」では、「03」がスラローム時のステアリング操舵に対して横方向に逃げる感覚があり少し慎重な運転になったのに対して、「ICE Pro」ではそこまで慎重にならずとも思うような操舵感を得られ、このあたりも明確な進化ポイントとして体感ができました。

 この氷上における「03」と「ICE Pro」の差は、前述の技術紹介でもあった「ふんばり吸水ゴム」採用による「氷上の小さな凹凸に密着し、その凹凸に残るように粘る」という特性が効いていることを実感できます。

 加えて、新開発のトレッドパターンを採用してエッジ効果を高めたほか、プロファイル形状も新しくなったことでセンターフラットにしたことで接地面積が増え、より路面との密着性が向上したことなどが、この安心感に寄与しているといえます。

氷上は分かった!では雪上は?公道は?

 次にテストコース内の「雪上(加速・減速・登坂・スラローム)」を試します。

 前述のとおり、今回は氷上特化型のため、雪上性能については「03」と「ICE Pro」で数値的に大きく進化したポイントはそこまでないといいます。

 とはいえ雪上をそれぞれ乗り比べてみると、スラロームやレーンチェンジのような瞬時の操舵感は「ICE Pro」のほうがよりリニアになり、ハンドル操作に対してクルマが「ちゃんとついてくる」という好印象を受けました。

 そしてリアルワールドとなる公道では新製品のみで、車両はSUV車両が中心となって用意されており、くるまのニュース取材班は「レクサスNX」と「ボルボXC60」で試乗をおこないました。

公道でのWINTER MAXX ICE Pro試乗はレクサスNXとボルボXC60にて実施。タイヤサイズはいずれも235/60R18
公道でのWINTER MAXX ICE Pro試乗はレクサスNXとボルボXC60にて実施。タイヤサイズはいずれも235/60R18

 走った道は山間の真っ直ぐに伸びた登坂・下坂や、くねくね路、住宅街の交差点など様々です。

 実際に公道で走る分には当たり前ながら冬タイヤなので、走る・曲がる・止まるは普通に問題はありません。静粛性に関しても、不快なノイズは抑えられていました。

 唯一気になる点といえば、速度域が上がってきた際に、凍って固まった轍(わだち)を通るとハンドルが取られやすい印象を受けたこと。

 ただこの部分は、車両側の特性により度合いは変わるので、慣れの問題とも言えるかもしれません。

※ ※ ※

 今回、ダンロップは冬タイヤとして「03」から「ICE Pro」へと進化させ、投入します。

 ここでユーザーとして「よくある質問」となるのが、冒頭の「シンクロウェザー」との関係性です。

 オールシーズンタイヤの「シンクロウェザー」ですが、実際に雪上であればひと昔の冬タイヤ並の性能を持っており、ユーザーとしては「シンクロウェザーで十分」という人もいるかもしれません。

WINTER MAXX ICE Proは2026年8月より順次販売
WINTER MAXX ICE Proは2026年8月より順次販売

 それに対してダンロップの執行役員である松井氏は次のように話しています。

「あらゆる路面に対応できるシンクロウェザーを出したことによって、ラインナップとして大きな強みを持ちました。シンクロウェザーがあるからこそ、今回のWINTER MAXXの新シリーズであるICE Proは、氷上性能に大胆に特化した開発が可能になったのです」

 つまり、万能型の「シンクロウェザー」が存在するからこそ、新しいスタッドレスタイヤは「氷」という最も危険なシーンに一点集中できたというわけです。

 そのため「シンクロウェザー」と「ICE Pro」はどちらが良い悪いではなく、自分の生活環境や使用用途に応じて選択することが大切なのです。

 非降雪地域がメインなら「シンクロウェザー」、北海道や東北、山間部などの豪雪・凍結路面が多い地域なら、迷わず「ICE Pro」。

 この住み分けが、これからのタイヤ選びのスタンダードになりそうです。

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