新型「CX-5」に間に合った! マツダの新色「ネイビーブルーマイカ」開発の経緯とこだわりをチーフデザイナーが語る
ネイビー色を約13年ぶりにアップデート! 新型CX-5を皮切りに採用
マツダは2026年1月9日、「東京オートサロン2026」の会場にて新型「CX-5」(欧州仕様)を展示し、新たな塗装色「ネイビーブルーマイカ」を初公開しました。
同社は「カラーも造形の一部」という思想の下、魂動デザインの造形美を質感高く際立たせるカラーの開発に力を入れてきました。
今回新色として登場したこのカラーには、どのような特徴があるのでしょうか。デザイン本部の椿貴紀チーフデザイナーに話を聞きました。
9年ぶりの全面刷新となったマツダ新型「CX-5」は、2025年7月に欧州で世界初公開されました。同年10月30日〜11月9日に開催された「Japan Mobility Show(ジャパンモビリティショー)2025」では、日本でもお披露目。3代目となった人気SUVの進化に、人々の注目が集まっています。

開発コンセプトは「新世代、エモーショナル、デイリーコンフォート」。欧州仕様では全車にハイブリッドシステムが標準搭載されました。2.5リッターのガソリンエンジンにマイルドハイブリッドを組み合わせることで、現行の2.0リッターモデルを凌ぐ低燃費と、スムーズな加速を両立しています。
さらに2027年以降は、マツダの最新技術を凝縮した新エンジン「SKYACTIV-Z」と新ハイブリッドシステムを搭載したモデルの導入も予定されています。
ボディサイズは全長4690mm×全幅1860mm×全高1695mmと、2代目より全長115mm、全幅15mm、全高35/30mm拡大しました。後席の足元スペースは現行比で約64mmも拡大され、機内持ち込みサイズのスーツケースが置けるほどのゆとりを実現。また、リアドアの開口部を約70mmも広げたことで、乗り降りや荷物の積み下ろしがスムーズにできるようになっています。
デザインも新たな境地へと達しています。コンセプトを「ウェアラブル・ギア」とし、魂動デザインらしい生命感を損なうことなく、よりシンプルで張りのある面構成を模索。
デザイン本部の椿貴紀チーフデザイナーは「より気軽に、自由自在に行きたいところへ行け、やりたいことができる。ユーザーの行動範囲を広げるようなデザイン」を目指したといいます。
なぜ新色はネイビー? 発色と細やかな煌めきに注目

そして今回東京オートサロン2026でお披露目されたのが、新色「ネイビーブルーマイカ」をまとった新型CX-5です。
この色は、現行のネイビー色である「ディープクリスタルブルーマイカ」をアップデートし、誕生しました。
「ハイレゾリューション化(高解像度化)」をキーワードに、大きく2つのポイントをもって改善をさせているといいます。
1つは、マイカのフレークをより細かくし、ソリッドな表現を強めています。
クルマの塗装には様々な種類がありますが、メタリック塗装はアルミニウムなどの金属片を混ぜたもの、雲母(マイカ、ケイ酸塩鉱物の一種)片を混ぜる塗装は「マイカ塗装」と呼ばれます。
今回オートサロンの会場には「ジェットブラックマイカ」のCX-5が同車の隣に展示されていますが、この色は現行のディープクリスタルブルーマイカと同等のフレークサイズとのこと。比較してみると、ディープクリスタルブルーマイカの方がより煌めきが細かいことを確認できます。
もう1つは、発色と色の表現です。現行のディープクリスタルブルーマイカは光の当たった部分が少し白く飛んでしまう傾向がありましたが、「明るいところは鮮やかなブルー」に、「暗いところは深く美しいネイビー」に見えるように進化しました。
なぜ今回ネイビー色をアップデートするに至ったのでしょうか。チーフデザイナーの椿氏は下記のように話します。
「実はネイビーは、モデルや国を問わず大体10%くらいのシェアを得ている人気の色なんです。CX-5はマツダにおける最量販車種ですので、しっかりと販売ミックスも考えてボディカラーを選びたいという中で、やはりこの色を入れたいと思いました。
ただし、ディープクリスタルブルーマイカは先代の『マツダ3』(日本では『アクセラ』)のマイナーチェンジと共に2013年にデビューした色。近年欧州メーカーも含めて青系色は増えてきているのですが、それと比べてもアップデートが必要だと感じていました。
また、新型CX-5は先代のデザイン本部長である中山雅と一緒に開発を行っていたのですが、彼は初代CX-5のチーフデザイナーでもありました。初代には『スカイブルーマイカ』というボディカラーがあり青のイメージも強かったのではないかと思います。
今回、パッケージも含めて、“初代の気軽さ”というのをデザインとしても表現したいと考えていましたし、それに近づけるような原点回帰のイメージも交えながら青色を採用し進化させることに決めました」
新技術採用で開発スピードアップ! “主張しすぎない”色の魅力を発揮
開発には新たにデジタル技術を取り入れており、これまではデザイナーがイメージや要望を塗料メーカーに伝えて開発を行っていましたが、今回は色調や色味、コントラストなどを数値化しより正確に判断できるようにしたことで、開発時間も短縮。それにより、新型CX-5の発売に間に合わせることができたといいます。
また、これまでの知見や技術を活かし、緻密でクリアな色味や質感と明暗差を際立たせる高コントラストを両立するために、複数種類のマイカをバランス良く配合した上で、水平に配置。これによって地域や天候に左右されず、様々な環境でクルマの造形を際立たせるカラーを実現しています。
椿氏はその魅力を下記のように語ります。
「この色は、ハイライト部分がしっかり青に見える。それでいてジャドーの部分は黒に近いぐらいドンと色味が落ちます。
おそらくネイビーを選ばれる方は、あまり派手すぎる色は選びたくないけれども、やはり黒や白ではない、色味が欲しい、という思いがあるのではないかと思います。個性を持ちながらも主張しすぎないディープクリスタルブルーマイカは、まさにそういった要望を叶える色です。
さらに今回新型CX-5で採用している白黒内装との相性が非常に良い点もポイントです」
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マツダと青系色のつながりは深く、1970年代には企業のシンボルカラーとして「マツダブルー」を採用。これまで「ブルー」の名を冠したカラーを150以上展開してきました。
新型CX-5を皮切りに採用されるディープクリスタルブルーマイカは、今後他車種にも導入されると見込まれます。長年の知見と最新の技術、そして色に対するこだわりが凝縮されたこのカラーは、マツダ車の新たな表情を見せてくれることでしょう。
日本仕様の新型CX-5は2026年4月に生産開始、同年5月に発売が予定されています。

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